札幌藻岩高で初の異文化理解授業　国際的な視野広げよう　外務省、各国総領事館からパネリスト招く

（学校 2016-01-20付）

外国の生活や文化などを学んだ

　札幌藻岩高校（梅原宏之校長）は昨年十二月中旬、同校体育館で異文化理解を深める授業を実施した＝写真＝。パネルディスカッションを通して国際的な視野を広げようと一年生三百二十人が参加。外務省、各国総領事館からパネリストを招き、外国の生活や文化などを学んだ。

　この取組は、「各国の情報や文化、北海道や札幌市とのかかわりについての講演やディスカッションを通して異文化に対する理解を深める」「生徒たちの国際的な視野を広げ、留学等を含めた将来の進路選択を考察する一助とする」などを目的に初めて実施したもの。今回、外務省や各国総領事館からパネリストを招聘した。

　はじめに、外務省北米局北米第二課の佐藤盟信課長補佐が「外交官を目指したきっかけ」「各国への留学や赴任において文化の違いからの苦労話・失敗談」について、また、米国総領事館のハービー・ビーズリー氏が政治への参加などから日本と米国の高校生の違いを説明。ビーズリー氏は、米国では生徒が積極的に選挙にかかわっていることを紹介した。

　このほか、中国総領事館の張毅氏が日本と中国の文化の違い、オーストラリア総領事館のイアン・ブレイジア氏がアボリジニの楽器「ディジュリドゥ」の紹介や日本での経験、ワーキングホリデーについて話した。

　ディスカッションでは、一年生と同年代のアメリカの学生が積極的に選挙に参加していることにふれ、中国やオーストラリアではどのような状況なのか質問するなど活発な議論となった。

　参加した生徒は、「アメリカなどで自分と同じ年くらいの学生が政治に興味をもち、積極的に政治活動に参加していることを聞いて凄く刺激になった。私もこれから大事な選挙権をもつ一人として政治について考えていきたい」「外交官や領事の方から生の声を聞き、日本の文化との違いやその国の文化の良さを理解することができた」などと感想を述べていた。

　同校では、来年度以降も異文化理解を深める授業を実施していく予定となっている。

(学校 2016-01-20付)