小学校理科で全国との差縮まる　石狩市教委が全国学力・学習状況調査結果を公表

（市町村 2016-02-05付）

　石狩市教委は、二十七年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。教科ごとの平均正答率をみると、全国平均を下回り、前年度に比べ小学校、中学校ともに全国との差が広がるなど、厳しい状況。また、全国の下位二五％と同じ正答数の範囲に属する児童生徒の割合（以下、下位層の割合）は本年度、小・中学校で増加するなど、大きな課題が残った。一方で、小学校理科においては、前回行われた二十四年に比べると全国との差が縮まった。学校ごとにみると、すべての教科において、全国平均を上回る小学校が二校あった。市教委では、「学力向上に向けて成果を挙げている学校もみられる」と分析している

　本年度の全国学力・学習状況調査は、小学校十三校五百五十一人、中学校八校五百四十三人を対象に実施した。

　調査結果の概要はつぎのとおり。

【小学校】

▼国語科の概要

▽国語Ａは全道平均よりやや低く、全国平均よりも低かった。国語Ｂは全道平均とほぼ同様（下位）で、全国平均よりも低かった。

▽国語Ｂの平均正答率は二十五年度から年々高くなってきている。

▽各設問での無解答率は、二十五年度から年々高くなってきている。Ａ問題で全国（三・六％）・全道（四・〇％）より高く、石狩市は四・五％だった。Ｂ問題では、市内各校の平均が石狩市七・九％で、全道（七・五％）・全国（六・一％）よりも高い結果だった。

▼算数科の概要

▽市内各校の正答率は、全道・全国との差が二十六年度よりも広がった。

▽「数と計算」「量と測定」「図形」「数量関係」の中で、Ａ問題では「量と測定」、Ｂ問題では「数量関係」が全道・全国との差が大きかった。

▽無解答率は、Ａ問題で全国（一・八％）・全道（二・五％）より高く、石狩市は三・一％だった。Ｂ問題では、石狩市一二・六％で、全道（一一・六％）・全国（九・一％）よりも高かった。

▼理科の概要

▽平均正答率は、全道平均・全国平均とほぼ同様（下位）。二十四年度と比べると、全国平均との差が若干縮まった。

▽領域別正答率では、四領域（物質・エネルギー・生命・地球）とも、全道平均と同様、または、ほぼ同様の傾向にある。

▽無解答率は、平均が三・六％で、全道（三・三％）・全国（三・二％）と同様の傾向となった。

【中学校】

▼国語科の概要

▽相手の反応を踏まえて話し方を工夫する力は、ほぼ定着している。

▽漢字の読みについては、定着がみられる。

▽適切な表現を選択したり、効果的な文章を書くことが課題。

▽漢字を正しく書いたり、適切な品詞の選択が課題である。　　　

▽適切な情報を選択して、それを根拠に自らの考えを書くことが課題。無回答率も高くなっている。

▼数学科の概要

▽記号で表された図形の構成要素間の関係を読み取ることについて、改善がみられる。

▽確率の意味を理解することに、課題がある。

▽引き続き無回答の割合が高く、課題が継続している。

▽「数学」に対する生徒の意識の中で、肯定的な回答が前年度を下回り、日常の指導の改善が求められる。

▼理科の概要

▽物質を化学式で表すことは、ほぼ定着している。

▽気圧の変化をモデルに使った実験と関連させて考えることができている。実験を計画することと、課題に正対した考察をもつことに課題がある。

▽電磁誘導に関する科学的概念を使って説明することに課題がある。

(市町村 2016-02-05付)