函館市昭和小が開校50周年公開授業 日ごろの活動の一端紹介 信頼される学校へ地域住民招く(学校 2016-02-10付)
すべての学級の授業を保護者や地域住民などに公開
【函館発】函館市立昭和小学校(八木裕校長)は六日、開校五十周年公開授業を行った。特別支援学級を含むすべての学級の授業を保護者や地域住民らに公開し、日ごろの教育活動の一端を紹介した。五年三組では多田淳教諭が、やなせたかしさんの歌や絵本『アンパンマン』を教材とした道徳で児童が「正義」について思いをめぐらせ、考えを深める授業を進めた=写真=。
同校の重点教育目標は「豊かな心をもって触れ合い、高め合い、試みる子の育成~生きる力を支える確かな学力をはぐくむ」。「自分もピカピカ、友達もピカピカ、学校もピカピカ」を合言葉に、教職員が一丸となって魅力ある学校、信頼される学校づくりに取り組んでいる。
この日は、開校五十周年記念式典に先立ち、二十一学級すべての授業が一般に公開された。一、二年生は生活の授業を、三年生は社会と国語、四年生は総合、五年生は国語、家庭、道徳、六年生は外国語、国語、特別支援学級は図工の各授業を行った。
五年三組の道徳は、絵本『アンパンマン』と、作者のやなせたかしさんが作詞した歌を教材とした授業が行われた。
多田教諭は冒頭、「正義とは?!」とテーマを板書。「正義の味方、ヒーローって聞いて思い浮かぶのは何?」と問いかけながら、映像でウルトラマンや仮面ライダー、鉄腕アトムを見せたあと、モノクロの初期のアンパンマンを紹介した。
多田教諭は、初期のアンパンマンが大人向けの雑誌で連載が始まったことや、やがて絵本になったとき、人に顔を食べさせる特徴が残酷と批判されるなど、全く評価されなかったことを説明した。
絵本は、三~五歳の幼児たちに大人気となり、テレビアニメ「それいけ、アンパンマン」となったことを説明。アニメのテーマソング「アンパンマン・マーチ」を流すと、多くの児童が歌を口ずさんでいた。
多田教諭は、児童たちに質問を繰り返し、「あなたが一番うれしいことは何?」「あなたが一番つらいことは何?」「やなせさんが一番うれしいと思うことは何?」と問いかけた。やなせさん自身が戦争を体験し、戦後に道端の草を食べるほどの飢えを経験したことなどを説明した。
また、昭和小が二月三日に、今春入学する新一年生を迎えて行った交流会を多くの写真で紹介。クラスの一人ひとりが幼児を相手にゲームを教えたり、ともに遊んだりしている様子を示し、新一年生と一生懸命に向き合う自身の姿を振り返えらせた。
最後に、「本当の正義というものは、決してかっこいいものではないし、そして必ず自分も深く傷つくもの」という、やなせさんの言葉を紹介し、再度「アンパンマン・マーチ」を流した。
多田教諭は、声に出して歌わずに、歌詞にある言葉の意味を確かめながら真剣に聞き、感想をノートに書くよう指導した。
児童たちは、「人助けをすることが大切なことが分かった」「将来に希望があることを、やなせさんが教えてくれた」などと発表していた。
(学校 2016-02-10付)
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