道教育大附属札幌小が授業研究会等　創造力育む学習を展開　３年算数など１５授業を公開

（学校 2016-02-15付）

研究主題「想創の学びを築く学校」のもと、１５の授業を公開

　道教育大学附属札幌小学校（戸田まり校長）は十日、同校で冬季授業研究会兼道教育大附属学校園授業力向上セミナーを開催した。研究主題「想創の学びを築く学校」のもと、十五の授業を公開。このうち、三年一組の算数「かけ算の筆算（２）」（髙橋健一教諭、児童数三四人）では、結合法則や分配法則といった異なるアプローチで計算することに注目。その計算式をクラス内で共有し、「こんな風にも考えられる！」ことに気づかせた。クラスメートと自分の考え方に違いがあることに気づかせ、児童がより良い方法を追求する気持ちになるよう指導を工夫。研究主題にある「創造力」の育成につなげることをねらった＝写真＝。

　同校では想像力を働かせ、自分の考えと他者の考えを統合しながら、新しいものを生み出していく「創造力」の育成を重視。研究主題を「想創の学びを築く学校」と設定し、研究を進めている。

　公開授業のうち、三年一組の算数「かけ算の筆算（２）」は十一時間扱いの五時間目。本時の目標を、「逆算の問題場面の立式からとらえた乗法の式を、乗法の性質を用いて、より簡単な計算に変化させていく」と設定した。

　前時までに児童たちは、結合法則や分配法則、交換法則を用いて乗法を簡単に計算する方法を考えたほか、アレイ図や比例数直線に数を位置付けたり、関連させたりしながら乗法の意味をとらえている。

　髙橋教諭は「ペットボトルに入っている飲み物を四十四人で分けたら、一人分が二十五㍉㍑でした。ペットボトルには何㍉㍑入っていたでしょう」と発問。答えを割った数字が示されている問題を提示することで、乗法を用いて考えようという思考を促した。

　比例数直線を提示し、数を書き込ませることで一人分の二十五㍉㍑が四十四人分（四十四倍）になることを理解させ、かけ算の式を導き出せるよう促した。

　問題文の二十五×四十四の式について、おおよその答えがどれくらいになるのか問いかけ、二十五が百の四分の一であること、四十四が四十と四に分けられ、それが十倍になっている特殊性に気づかせた。

　このあと、児童は、結合法則や分配法則を用いた計算式を発表。髙橋教諭は、計算途中の式に出てきた数の関係に注目するなど、児童が「こんな風にも考えられる！」といったさらなる追究を生み、創造力を育むよう指導した。

(学校 2016-02-15付)