倶知安高がキャリア教育で文科大臣表彰 教育課程の大きな柱に 〝ドリカムプラン〟で探究活動推進
(学校 2016-02-15付)

倶知安高文部科学大臣表彰
河村校長が表彰状を披露

 【倶知安発】二十七年度キャリア教育優良教育委員会、学校およびPTA団体等文部科学大臣表彰を受賞した倶知安高校(河村英二校長)。三日には、同校で賞状披露とキャリア教育の取組報告が行われた。河村校長は「本校のキャリア教育は、教育課程の中で教科指導と並ぶ大きな柱となり、生徒を育てている」と話している。

 キャリア教育優良教育委員会、学校およびPTA団体等文科大臣表彰は、キャリア教育の充実発展に尽力し、顕著な功績が認められた教育委員会、学校・PTA団体等に対して、その功績をたたえ、文科大臣が表彰することによって、キャリア教育の充実を促進することを目的としている。

 今回の受賞校等は、小学校十七校、中学校二十六校、高校三十五校、特別支援学校三校、教育委員会七団体、PTA団体等九団体の計九十七件。本道からは同校と函館五稜郭支援学校の二校が選定された。

 同校におけるキャリア教育は、高校の三年間を「自分の夢を実現するためにある(Dreams come true)」と定義。総合的な学習の時間を「ドリカムプラン」と称し、自らの興味・関心をもとに、生徒が自らの将来設計を行い、様々な体験学習等を通して自分の進むべき道を探究する学習活動に取り組んでいる。

 実施に当たっては、キャリア部が中心となり、地域・産業界等との連携・協力を主体的に図り、組織的・系統的に指導。大きな枠組みとして、一年次を「調査の年」、二年次を「行動の年」、三年次を「実現の年」ととらえ、三年間を通して系統性をもった取組を行っている。

 一年次においては、生徒の興味・関心に応じたグループを編成し、入学当初の宿泊研修から企業見学や大学見学の実施、自分史の作成、職業講話の実施、卒業生と語り合う会への参加、家庭と連携した保護者の仕事アンケート作成・集約を行うことなどによって、仕事研究や学問研究を図りながら、自己理解を深める活動を展開している。

 二年次は、進路希望の傾向が近い生徒で“ドリカムグループ”を編成し、行動計画を立てたり、ドリカムノートを作成したりして記録、反省・評価等を行っている。また、ドリカムグループごとにジョイントセミナー(出張講義)やオープンキャンパス、インターンシップなどに参加したり、見学旅行時にドリカムグループ別に企業や大学を訪問したりすることによって、探究活動を深化させている。

 三年次においては、志望動機や小論文作成、模擬面接、社会人マナー講習等を通して、社会人としての資質を養うなど、進路実現を図るための実践的な活動を行っている。

 キャリア教育にかかる校内体制では、キャリア部が中心となり、各学年・分掌と連携するとともに、二人担任制を導入し、日常のホームルームから学校行事、個人面談等を協力して行い、きめ細かな指導を展開している。

 また、単位制の特色を生かし、生徒の興味関心や進路希望等に応じた多様な選択科目を開設するとともに、少人数授業や習熟度別授業等、丁寧な学習指導を行い、教科指導を通してキャリア教育を推進し、進路実現を図っている。

 こうした三年間を通した組織的・系統的な取組の実践によって、生徒の進路意識が一層明確となり、国公立大学の進学者数・公務員試験の合格者数の増加、安定した就職内定率や進路決定後の生徒の学習意欲の維持といった成果につながっている。

 当日は、河村校長、田端秀行教頭、髙野正男事務長、津端公彦教務部長、守田英樹進路指導部長、木谷弥彦キャリア部長が出席した。はじめに河村校長が賞状を披露した=写真=。

 続けて、あいさつした河村校長は「キャリア教育は、バラエティーに富んだ行事や取組などを寄せ集めるというパターンではない。教育課程の中で教科指導と並ぶ大きな柱となり、生徒を育てている」と、組織的・系統的に取り組んできた成果を強調した。

 このあと、守田進路指導部長が同校のキャリア教育について説明。二十二年度の普通課単位制への移行をきっかけにスタートした「倶高ドリカムプラン」の校内体制や三年間の動きなどのほか、二年次のグループ活動について解説した。

 グループ活動は、八系統程度の大グループを編成し、各系統内に小グループを作り、ジョイントセミナーや見学旅行の企業・大学訪問、インターンシップなどを実施していることを紹介。グループ別活動のメリットとして、「仲間と協力し助け合いながら行動する力が身に付いた」「互いに情報交換を行い、視野を広げることができる」などを挙げた。

(学校 2016-02-15付)

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