3団体1個人に栄誉 27年度上川管内教育実践表彰の受賞者決定(学校 2016-02-15付)
【旭川発】上川教育局は、二十七年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、占冠村立占冠中央小学校、愛別町立愛別中学校、旭川西高校の三団体と、旭川西高の宮岡仁教諭を選出。社会教育では、名寄太鼓保存会の一団体に決定した。表彰式は二十九日午後一時三十分から上川合同庁舎で挙行する予定。
受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
【学校教育】
◆団体
▼占冠村立占冠中央小学校(森野憲仁校長、児童数三六人)=学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)の推進
二十六年度から同制度の認定を受け、学校運営協議会において二十七年度の学校経営方針を承認するなど、二十七年四月から具体的な取組を推進している。「地域はどこも学校、地域の自然・人・物はみな教師である」をモットーに、コミュニティ・スクールの取組を通して、「占冠大好き」と言える子どもたちを育て、地域において占冠を支える人材の育成を図っている。
▽地域教育力を活用したふるさと学習の充実
生活科および総合的な学習の時間を活用して、メープルシロップ、スキー、化石・地層、カヌー、山菜等の地域の素材を活用した体験活動「ふるさと学習」を通して、村の自然の素晴らしさを再認識する取組を行っている。
▽公民館主催の学習サポートの充実
「土曜学習」「長期休業中の学習サポート」「放課後の学習サポート」等を行い、子どもが地域の中で有意義な休日を過ごせるよう工夫するとともに、子どもの学力向上に努めている。「土曜学習」では、英語教育や地域の方が指導する卓球教室、eラーニングやプリントを使った学び直し等を月に二時間、学級ごとに合計十二時間実施している。「長期休業中の学習サポート」では、同校の職員に加え、コミュニティ・スクールの関係機関である北翔大学の学生ボランティアが参加し、個に応じた指導の充実を図っている。
▽三者連携協定による教育活動の充実
環境保全や観光振興、地域活性を目的として、村と北海道大学、星野リゾートの三者連携協定の締結によって、村内の子どもを対象に「川の学校」「雪の学校」を実施している。「川の学校」では、水生昆虫であるヒゲナワカワトビケラの採取による川の調査、「雪の学校」では、積雪の深さの調査や雪の結晶のレプリカの作成などを行い、子どもたちは村の自然環境について学んでいる。
▼愛別町立愛別中学校(山村美勝校長、生徒数七〇人)=生徒会を中心とした「いじめ撲滅」に向けた取組の推進
二十六年度に開催された「どさんこ☆子ども地区会議」に生徒会役員が参加し、会議の中で他校の実践発表を聞いたことをきっかけにして、内容に触発された生徒が主体となり、いじめの問題について考え行動する取組を始めた。
▽いじめ撲滅宣言
生徒会が主体となり、いじめ撲滅宣言を設定した。宣言は「どんな理由があっても〝いじめ〟は絶対にしません」「いじめを見つけたら、見て見ぬふりをせず、自分たちにできることを考えて行動します」「一人ひとりがお互いの個性を認め合い、思いやりをもって中学校生活を送ります」の三点で構成している。
▽いじめ撲滅カード
名刺サイズのカードの表面には、生徒会で設定した「いじめ撲滅宣言」を掲載し、裏面には、生徒一人ひとりがいじめをなくすためにできることを考えて決意を記入している。本カードを常に身に付けることで、日常的にいじめ撲滅に向けた意識の啓発を図っている。
▽いじめ撲滅の誓い
第一~三学年の各学級において、生徒一人ひとりがいじめ撲滅に向けた誓いを書き、廊下に掲示している。
▽パープルリボン活動
「いじめ撲滅」への思いを全校生徒が共有できるよう、紫色と白色で構成されたリボンを作成し、いじめ撲滅カードとともに生徒全員が胸に着用するようにしている。紫色は暴力根絶を訴えるパープルリボン活動に由来しており、身体への暴力だけでなく言葉の暴力等も根絶することが「いじめ撲滅」につながると考え設定している。また、リボンの白色には愛別中学校が平和であってほしいという願いが込められている。
▼旭川西高校(今井悟校長、生徒数七一七人)=スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取組による理数教育の推進
二十二~二十六年度までSSH、二十五~二十六年度まで科学技術人材育成重点枠(中核拠点)の指定を文部科学省から受け、先進的な理数教育や科学技術人材を育成する教育課程の研究開発に取り組むとともに、その成果を広く発信し道北地区の理数教育の推進校としての役割を果たしている。
また、学力向上という学校課題に対し、シラバスの改訂、四十五分七時間授業の導入、進路講習体制の再構築を図り、国公立大学合格者数を大幅に伸ばす等の成果を上げている。
二十七~三十二年度まで、二期目のSSHの指定を受け、SSHのカリキュラムを普通科にも広げて探究活動を行う等、さらなる充実発展に努めており、地域や保護者から高く評価されている。
◆個人
▼宮岡仁(旭川西高芸術科教諭、五四歳)=書道教育を通じた伝統文化を担う人材の育成
▽道教委の「高校教育課程編成・実施の手引」の執筆に携わる(十九~二十四年度)。また、文部科学省主催の指導主事協議会に出席し、その内容の伝達・普及に努める(二十一~二十四年度)
▽地域に根ざした活動として、二十二年度から学校開放講座を開講し、保護者を中心に書道講座を実施している。
▽書道部の指導では、国際高校生選抜書展(書の甲子園)二十七年度全国優勝をはじめ、これまで北海道地区優勝を九度受賞させている。
▽各種展覧会等に作品を出品し、八年度および十二年度は全国書道展優秀指導者賞、十八年度は毎日書道展毎日賞と創玄展準大賞、二十二年度は安芸全国書展指導者賞、二十七年度は北海道書道展大賞などを受賞している。
【社会教育】
◆団体
▼名寄太鼓保存会(名寄市、藤野光弘代表、会員数三五人)=郷土芸能の保存・伝承・創造
昭和四十年の発足以来、「流れ太鼓」「ピヤシリ大学」など、先人たちの開拓者精神や道北の豊かな自然を太鼓で表現するなど、郷土への愛と感謝を伝える活動を半世紀にわたって継続し、郷土芸能の保存、伝承、創造に大きな成果を上げている。
特に、NHKのテレビ番組「北海道中ひざくりげ」や道民芸術祭、北海道と姉妹提携をしているアメリカのマサチューセッツ州で開催された「北海道ウィーク」に出演したほか、数多くの地元イベントに出演し、様々な場面で演奏を披露することによって、多くの人々にその文化を広め、芸術文化活動の活性化に大きく貢献している。
また、同保存会には十代から五十代までの幅広い世代が所属し、毎週二回程度の定期練習を行うことによって、太鼓の指導を通じた青少年の健全育成にも寄与しており、その実践は高く評価されている。
(学校 2016-02-15付)
その他の記事( 学校)
道教育大・附属釧路小中がセミナー 理数教育の在り方研鑚 授業公開や実践発表など
【釧路発】道教育大学と道教育大附属釧路小学校(村山昌央校長)・附属釧路中学校(杉山佳彦校長)は一月下旬、両校を会場に二十七年度授業力向上セミナーを開催した。道教育大の教員をはじめ、道内外か...(2016-02-16) 全て読む
楽しい思い出つくろう 室蘭養護と道大谷室蘭高が劇やレクなどで交流深める
【室蘭発】室蘭養護学校(髙橋正志校長)と道大谷室蘭高校(竹本将人校長)は五日、本年度五回目となる通年交流・共同学習を実施した。室蘭養護からは中学部・高等部の生徒約七十人、道大谷室蘭高からは...(2016-02-16) 全て読む
上ノ国高生徒会などがいじめ根絶に向け宣誓 行動目標5項目を力強く
【江差発】上ノ国高校(鈴木聡校長)で一月下旬、生徒によるいじめ根絶宣言が行われた=写真=。生徒会長と三年生十人が登壇し、いじめ根絶討論会の成果を形にした宣言文を朗読。いじめの原因となるもの...(2016-02-16) 全て読む
使用時の注意点など学ぶ 札幌市清田中が携帯電話安全教室
札幌市立清田中学校(土田英之校長)は一月二十二日、同校で携帯電話安全教室を開催した=写真=。全校生徒や保護者、教職員合わせて約七百六十人が参加。携帯電話やスマートフォンを使用する際の注意点...(2016-02-16) 全て読む
いつまでも大事にして―旭川大が木製レリーフお披露目式 絵本作家・あべ弘士氏が寄贈
【旭川発】旭川大学(山内亮史学長)に、絵本作家あべ弘士氏が木製レリーフを寄贈した。九日に同大玄関ホールでレリーフのお披露目式を開催。縦一・八㍍、横一・八㍍のレリーフは、あべさんの同名の絵本...(2016-02-15) 全て読む
道教育大附属札幌小が授業研究会等 創造力育む学習を展開 3年算数など15授業を公開
道教育大学附属札幌小学校(戸田まり校長)は十日、同校で冬季授業研究会兼道教育大附属学校園授業力向上セミナーを開催した。研究主題「想創の学びを築く学校」のもと、十五の授業を公開。このうち、三...(2016-02-15) 全て読む
帯広第四中エリアファミリー 啓発用パンフレット作成 子の成長・教員の指導充実期待
【帯広発】中学校区内にある教育機関で構成する帯広市立帯広第四中学校エリアファミリーは、子どもに対する生活習慣・家庭学習の学ばせ方をまとめたパンフレット(A4判、一二ページ)を作成した。零歳...(2016-02-15) 全て読む
倶知安高がキャリア教育で文科大臣表彰 教育課程の大きな柱に 〝ドリカムプラン〟で探究活動推進
【倶知安発】二十七年度キャリア教育優良教育委員会、学校およびPTA団体等文部科学大臣表彰を受賞した倶知安高校(河村英二校長)。三日には、同校で賞状披露とキャリア教育の取組報告が行われた。河...(2016-02-15) 全て読む
札幌市陵陽中生が赤ちゃんと交流 ふれあい通じ命を学ぶ ままごとやブロック遊びなど
札幌市立陵陽中学校(平野まなみ校長)は二日と五日、同校体育館で二十七年度豊平区次世代支援事業「中学生とあそぼう!in陵陽中学校」を開催した=写真=。二日間で三年生百五十二人が赤ちゃんと交流...(2016-02-12) 全て読む
函館市昭和小が開校50周年公開授業 日ごろの活動の一端紹介 信頼される学校へ地域住民招く
【函館発】函館市立昭和小学校(八木裕校長)は六日、開校五十周年公開授業を行った。特別支援学級を含むすべての学級の授業を保護者や地域住民らに公開し、日ごろの教育活動の一端を紹介した。五年三組...(2016-02-10) 全て読む