道教育大・附属釧路小中がセミナー　理数教育の在り方研鑚　授業公開や実践発表など

（学校 2016-02-16付）

　【釧路発】道教育大学と道教育大附属釧路小学校（村山昌央校長）・附属釧路中学校（杉山佳彦校長）は一月下旬、両校を会場に二十七年度授業力向上セミナーを開催した。道教育大の教員をはじめ、道内外から二百人を超える教育関係者が参加。「理数教育の今後の在り方～小中連携による目指す子ども像の実現に向けて」のテーマのもと、附属釧路小、附属釧路中とも算数・数学と理科の授業を一本ずつ公開し、公立小中学校による実践発表を通して理数教育の今後の在り方について考えた。

道教育大では、大学のある地域ごとに、授業力向上を目指す様々な研修会を開催している。今回の釧路地区は、釧路市標準学力検査や全国学力・学習状況調査の結果から、算数・数学、理科の学力向上が喫緊の課題であるととらえ、課題解決に向けた実践を交流した。

参加者は、はじめに附属釧路小で五年二組の算数「分数のかけ算とわり算を考えよう」（高瀬航平教諭、児童数三三人）、四年二組の理科「水のすがた」（茂木勇人教諭、児童数三四人）を参観。続いて、附属釧路中一年Ｃ組の数学「空間図形」（辻川智宏主幹教諭、生徒数三四人）、三年Ｂ組の理科「生態系の崩れ」（森下智之教諭、生徒数三四人）を参観した。

午後からは、教科ごとに授業研究協議を行ったあと、分科会を開催。算数・数学分科会では、別海町立別海中央小学校の今井寛教諭と釧路市立鳥取中学校の増田薫人教諭が、理科分科会では、釧路市立大楽毛小学校の山代佳菜美教諭と芽室町立芽室西中学校の松村岳典教諭がそれぞれ実践発表した。

このうち、今井教諭は「算数科の授業づくりにおける“これまで”と“今”と“これから”」と題して発表＝写真＝。これまでの授業において、目標と評価があいまいだったり、発問が多く一問一答式になったりしていた状況を振り返り、「今は、目標と評価と学習活動の一体化や、教師の出番、導入・展開・終末の役割の明確化を意識して授業を進めている」と説明。「これからは、主体的に課題を探し出す力を身に付けさせたい」と自らの授業案をもとに発表した。

参加者は、道教委指導主事の助言を交えながら、授業力向上について意見交換した。

(学校 2016-02-16付)