札幌市手稲西中が授業公開 異文化理解の方策示す 札幌国際プラザ交流員を活用
(学校 2016-02-19付)

手稲西中授業公開
自国の様子やネット事情を紹介

 札幌市立手稲西中学校(清水禎一校長)は十日、同校で「国際理解に関する教育」の授業を公開した=写真=。二年生技術・家庭科で、外国の様子やネット事情について知る授業を公開。札幌国際プラザ交流員の外国人講師を活用するなど、外国人との交流について、いつでもどの学校でも実施できるような方策を示した。

 同校は二十七年度札幌市研究開発事業の研究推進校。研究課題を「国際理解に関する教育」とし、和装着付け授業やJICAの訪問学習など、わが国の文化をはじめ異文化理解にかかわる取組や授業等の実践交流などを実施している。

 ことしから研究のねらいとして、外国人との交流についていつでもどの学校でも実施できる方策を検討。ALTの業務とは異なることから札幌国際プラザ交流員の活用を考えた。

 また、札幌市の姉妹都市交流にもつなげたいと考え、今回ドイツや韓国の札幌国際プラザ交流員を招聘。生徒が異文化を意識し、それを理解することの大切さを感じるような授業に向け、その方策を示した。

 この日は、上田昌史教頭と須貝海教諭のTT指導で実施した。はじめにドイツ出身のウリ・ヤミツキ氏と韓国出身のソン・ミンジ氏を紹介。また、ドイツや韓国を知ること、外国人がスマートフォンやインターネットをどう利用しているか学ぶなど本時の目標を説明した。

 続いて、ヤミツキ氏がドイツを紹介。学校では制服や給食がないほか、部活動は少なく、市民クラブスポーツなどに所属する人が多いことなどを説明。また、ドイツの食文化は、地方・季節で違うほか、移民が多いことからトルコ・ギリシャ・イタリア料理などが人気であると紹介した。

 ソン氏は韓国を紹介。韓国の名字で多いものやキムチ専用の冷蔵庫があることを話した。また、韓国の携帯使用実態についても言及。“歩きスマホ”や運転中のスマートフォン使用のほか、悪意のあるコメントによって使用者が自殺を図った事例を紹介した。

 SNSのいじめでは、「一度携帯電話やスマートフォンを使用したいじめがあると、進学や転校してもアプリによっては友達の友達など連絡先が表示され、いじめが終わらない」と述べたほか、「学校にいるときだけではなく、時間の制約なしにずっといじめが続く」と問題点を指摘した。

 このあと生徒が、日本に来て困ったことや外国の中学生の携帯普及率、民族衣装やLINEなどのいじめ対策について質問した。

 生徒は、「まわりに流されず人それぞれといった印象のドイツや、スマホをたくさん使う韓国など、国によって考え方が違うと思った」「外国にはLINEと似たものがあり、そこでの人間関係は日本と同じでどこでも複雑だと分かった」などと感想を述べていた。 

(学校 2016-02-19付)

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