学校職員の評価改正で要綱―道教委 「倫理・規律順守」追加 標準職務遂行能力を設定
(道・道教委 2016-03-04付)

 道教委は、二日の第六回教育委員会会議で、道立学校職員および市町村立学校職員の「評価に関する要綱の一部を改正する要綱」を報告した。地方公務員法の改正に伴う新たな人事評価制度に関する「標準職務遂行能力」を設定。各職種に対して、「学校運営」「職員の指導」「いじめ対応」などの項目ごとに求められる能力の水準を定めたもので、新たに「倫理・規律順守」の項目を盛り込んだ。職務遂行の過程において発揮された職員の能力を客観的に評価する「能力評価」で活用していく。

 個々の職員に困難な課題を解決する能力と、高い業績を上げることがこれまで以上に求められる中、国では、能力・実績に基づく人事管理の徹底、組織全体の士気高揚、公務能率の向上のため、新たな人事評価制度を導入しようと、地方公務員法を二十六年五月に一部改正。ことし四月から施行される。

 これを受けて道教委では、昨年十月から小・中・高校・特別支援学校の四十七校で新たな評価制度をモデル実施。各校の意見を参考にするとともに、従前の学校職員の職種ごとの「主な行動例」や、総務省が示した事例をもとに道立学校職員および市町村立学校職員の「標準職務遂行能力」を設定した。

 新しい評価制度では、四月一日から翌年三月三十一日までを評価期間とし、標準職務遂行能力に基づき、職務遂行の過程において発揮された職員の能力を客観的に評価する「能力評価」と、四月一日から九月三十日および十月一日から翌年三月三十一日までの期間で、職員があらかじめ設定した業務目標の達成度によって、業績を客観的に評価する「業績評価」を行う。

 「能力評価」は、期末に一次評価者、二次評価者が五段階で評価する。「能力評価」で用いる標準職務遂行能力は、項目ごとに求められる能力の水準を定めたもので、新たに「倫理・規律順守」の項目を盛り込んだ。

 職種ごとにみると、教育指導監が一次評価者、教育部長が二次評価者となる校長(市町村立学校長は一次が教育委員会職員で教育長の指定する人、二次が教育長または教育長の指定する人)は、「学校経営」「学校教育の推進」「いじめ対応」「職員の指導・監督等」「倫理・規律順守」の五項目。

 「倫理・規律順守」では、「公私の区分を明確にし、不正に対して毅然とした態度をとっている」「情実や偏見にとらわれずに判断し処理している」ことが基準となる。

 一次評価者が校長、二次評価者が教育指導監である教頭(市町村立学校教頭は、一次が校長、二次が教育長の指定する人)は、「学校運営(教務)」「学校教育の推進」「いじめ対応」「職員の指導等」「倫理・規律順守」の項目からなり、学校運営では、「管理職として必要な知識をもち、説明責任を果たしながら学校運営に活用できる」ことなどを提示した。

 一次評価者が副校長または教頭、二次評価者が校長である教諭(特別支援学校以外)は、「学習指導」「生徒指導」「いじめ対応」「校務分掌等」「倫理・規律順守」の五項目。学習指導では、「ほかの職員と連携・協力しながら学習指導を進めている」など、いじめ対応では、「いじめは人間として絶対に許されないとの強い認識に立っている」ことなどが示された。

 評価結果は、本人に開示し、職員の任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用する。

(道・道教委 2016-03-04付)

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