渡島管内研究指定校実践交流会 学力向上・授業改善に効果 松前町小島小、八雲町熊石第一中が成果報告
(道・道教委 2016-03-04付)

渡島局研究指定校実践交流
校内研究の在り方や今後の取組について協議

 【函館発】渡島教育局は二月二十六日、北斗市総合文化センターで二十七年度渡島管内研究指定校実践交流会を開催した。関係者二十一人が参加。学力向上など、指定校六校の実践成果が発表されたほか、参加者全員で校内研究の在り方、今後の取組について協議を行った=写真=。

 実践交流会で発表したのは、松前町立小島小学校、八雲町立熊石第一中学校、七飯町立軍川小学校、北斗市立浜分中学校、函館市立鍛神小学校、函館市立桔梗中学校の六校。

 この日、発表に立ったのは小島小と熊石第一中。

 小島小は四学級、児童数三十五人。本年度、「基礎・基本を身に付け、主体的に学ぶ子どもの育成」を研究主題に、教科書を基本とした指導法の研究や、規則正しい生活リズムの構築などに取り組んできた。

 小島小の菅野直人教諭は、授業の中で発問や指示の出し方を吟味し、学習指導において児童への問いかけを意図的に行ったり、授業の導入からまとめまで、空白の時間をつくらないことを心がけたりしたことを説明した。

 また、教室後方のロッカーの使い方、整理・整頓など、学習に集中できる教室環境を整備し、授業から宿題、家庭学習までの学習サイクルの構築を図ってきたことを説明した。

 菅野教諭は、授業においては子どもたちが基礎・基本の身に付け方の習得に努め、学習意欲を向上させたことを成果として示した。一方で、今後の課題として、子ども同士が話し合う場面を充実させることや、練り合いを生み出せる「課題」「発問」づくり、話し合う場面の日常化などが必要とした。

 学力向上に関しては、規則正しい生活リズムの構築によって、子どもたちの学習中の集中力が向上したこと、家庭学習に対する保護者と学校側、双方の考え方が共通のものとなり、協働体制が強化されたことを成果として挙げた。今後の課題として数値目標の設定や、「チーム小島」としての全職員の連携維持・強化などを挙げた。

 熊石第一中は四学級、生徒数二十六人。二十六~二十七年度の二ヵ年で、「確かな学びを実感できる学習活動の推進」を研究主題に、KJ法を用いた授業改善や、長期休業中のロングラン学習会、全校一斉学力コンクールなどに取り組んできた。

 熊石第一中の尾形郁弥教諭は、授業改善に関して、教師一人一授業を校内研究授業として行い、月一度の研究協議で様々な意見を募ったことを説明した。

 KJ法による研究協議では、五十分の授業に対して平均で五十以上の意見が出されるなど、回を重ねるごとに授業の改善点が明確になり、各教師が自身の授業を客観的に振り返ることで、授業力の向上につながったと報告した。

 ロングラン学習会に関しては、夏休み十日間、冬休み九日間の日程で行い、七割以上の生徒が参加。都市部の学校と違い、学習塾が無い地域事情もあり、多数の生徒が参加。学習意欲向上、学力定着などの成果を上げた。

 学力コンクールでは、「漢字」「計算」「英単語」で実施。二十六年度は、三項目とも全学年で到達度が八割に達していなかったが、二十七年度は三年生が三項目すべてで到達度が八割を超え、二年生が計算で到達度が八割を超えるなど、学力の定着ぶりを定量的に見取ることができる結果となった。

 尾形教諭は、今後の課題として、「KJ法における授業改善で、より研究テーマに絞った意見の聴取」「ロングラン学習会において、より能動的な参加を促す手だてが必要」「学力コンクールにおいて、三年間で到達度八割超えを実現させる方策づくり」を挙げた。

 また、熊石第一中が、同じ地域の熊石第二中と統合となることを念頭に、統合を見据えた両校共通の取組が必要とし、協働性の高い教職員の集団づくりや、共感してくれる保護者の理解が不可欠とした。

(道・道教委 2016-03-04付)

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