道子ども未来づくり審議会 公的な結婚支援サイトを 知事に少子化対策4点提言
(道・道教委 2016-03-04付)

子どもの未来づくり審議会
特別委員などが知事に提言書を手渡した

 道子どもの未来づくり審議会(青木紀会長)は、「北海道の少子化に関する提言」を取りまとめ、二日、高橋はるみ知事に提出した=写真=。子ども部会の協議内容をもとにまとめたもので、「結婚や出産など将来の希望がかなうよう、男女が出会い、安心して交流できる情報などを提供する」「若者が地域にとどまり、住み続けたいと思う環境づくりと、地域の魅力を積極的にアピールする」など四点を提言。利用者が安心して交流できる公的な結婚支援サイトの開設などを提案した。

 同審議会は、道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例に基づき、知事の附属機関として設置。子どもが自らの意見を表明する権利を行使でき、子どもの意見が適切に社会に反映される環境を整備するため、審議会から付託された事項に関し、子どもの視点からの意見を聴取することを目的に、子ども部会を設けている。

 子ども部会は、道内公私立の中・高校、特別支援学校の生徒十七人が特別委員に就任。昨年八月と十二月に、付託案件「人口減少問題への対応としての少子化対策の推進について(テーマ―私たちがつくる北海道の未来)」について協議した。

 当日は、藤田裕行部会長(道社会福祉協議会事務局長)、特別委員の菅原拓人君(旭川東高校一年)と樋口彩子さん(苫小牧東高校二年)が道庁を訪問。高橋知事に「北海道の少子化に関する提言~人口減少問題への対応としての少子化対策の推進について」の提言書を手渡した。

 このあと、菅原君と樋口さんが「結婚や出産など将来の希望がかなうよう、男女が出会い、安心して交流できる情報などを提供する」など四項目にわたる提言内容について説明。「広く道民に公開し、私たちが住む北海道の少子化対策に反映させてほしい」と求めた。

 対して、高橋知事は「反映できるものは、しっかりと反映させていきたい」と応じた。

 提言内容はつぎのとおり。

      ◇

【結婚や出産など将来の希望がかなうよう、男女が出会い、安心して交流できる情報などを提供する】

▼ねらい

▽結婚が遅くなると出産も遅くなり、高齢出産は命にもかかわることなので、早いうちに結婚して子どもを産むことができることが大切だと思った。

▽早い時期に結婚するためには、出会いの場が少ないと思うので、いろいろな人が出会い交流できる場として、サイトをつくることが効果的だと考えた。

▽出会いに関するサイトには、利用者に不安を与えるものもあるので、道が公的なサイトを提供することで安心できると考えた。

▼手立て

▽男女の出会いの場として、利用者が安心できる結婚支援サイトをつくる。

▽若者が自分の将来を考える機会の提供や、男女の出会いのきっかけとなる婚活イベントなどを開催する。

【安心して子どもを生み育てることができるために、経済的負担の軽減や子育て支援の充実を進める】

▼ねらい

▽出産や子育てに経済的な不安を抱えている人が多いので、金銭的な援助が必要だと思った。

▽出産後のお母さんや初めて子育てをしている新米ママなど、子育て中のお母さんたちを支えることが大切だと思った。

▽赤ちゃんの泣き声で近所から苦情がきたというニュースがあったが、地域の人たちがしっかりつながっていれば、そういうことは起きないと思った。

▼手立て

▽産休をとりやすい環境や、出産・子育てにかかる経済的な支援を充実する。

▽専門職などによる出産後のケアや、子育て経験者による子育ての仕方やコツのアドバイスなど、母親の不安や悩みを軽減する。

▽子育て中の親同士や地域とのつながりを強くして、安心して子育てできる環境をつくる。

【男女ともに協力して子どもを育てるために、仕事と育児が両立できる環境の整備を進める】

▼ねらい

▽長時間労働によって、育児の時間が短くなったり、母親への負担が大きくなっているので、働き方を根本から変えていくための取組が必要だと思った。

▽産休や育休を実際に取得している人が少ないことが問題だと思った。女性が出産や子育てのために仕事を休むことで、パートやアルバイトなどでしか働けないことも、取得率が向上しない要因になっていると考えた。

▽都市部で待機児童が発生していたり、子どもが小学校に上がると、保育所のように、夜遅くまで子どもを預かってもらう場所がないことが共働き家庭の負担になっていると思った。

▼手立て

▽産休や育休がとりやすく、元の職場や自分の能力を生かせる仕事への復帰が可能となる環境づくりを進める。

▽保育所の整備を進めるとともに、保育士として働く人を増やすことや処遇の改善を図る。

【若者が地域にとどまり、住み続けたいと思う環境づくりと、地域の魅力を積極的にアピールする】

▼ねらい

▽若い人たちが都市部に出て行くのは、地元に進学先や就職先がないことが主な理由だと考えた。

▽早い時期から、自分の将来について考えていくことが大切だが、地域の産業や様々な職業を体験学習することで、具体的に考えることができ、地域の魅力を学ぶ機会になるのではないかと思った。

▽多くの人がその地域に住みたいと思うためには、暮らしの不便さを解消し、地域の魅力を積極的に伝えていくことが必要だと思った。

▼手立て

▽地元で教育や体験学習ができる機会の充実を図るとともに、地元の産業などへの理解を深める。

▽生活の利便性向上に努めるとともに、地域の魅力や特徴を積極的に発信する。

(道・道教委 2016-03-04付)

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