第３回道社会教育委員の会議　全小中に地域連携教職員を　地域の教育支援提言案で協議

（道・道教委 2016-03-31付）

提言案について協議

　今期最後となる第三回道社会教育委員の会議が二十四日、札幌市内のかでる２・７で開かれ＝写真＝、「多様な人材の参画による地域の教育支援充実のために～北海道社会教育委員の会議による調査から見えてくるもの」と題した道教委への提言案について協議した。提言案では、「学びや育ちを支援する基盤づくり」など五つのポイントを提示。「地域とともにある学校」を目指し、すべての小・中学校に「地域連携担当教職員」として社会教育主事有資格教員を配置することなどを求めている。

　これまでの道社会教育委員の会議からの答申や提言が、地域の活性化や安全安心な地域づくりにどのように反映されているかを検証する視点に立ち、今期の会議では、道内全市町村を対象に実態把握調査を行った。

　調査結果から、地域の活性化や実践を担う後継者が育ちにくい環境にあるなどといった社会教育行政の課題を整理し、今後取り組むべき方向性について提言をまとめることとした。

　今期最後となる会議において、提言案を提示。中では、今後の方向性として、①学びや育ちを支援する基盤づくり②社会教育を推進する人材養成③社会教育委員の自律した活動④公民館等の社会教育施設による多様な事業展開⑤従来の制度や組織の発展的な見直し―の五つを、多様な人材の参画による地域の教育支援の充実のポイントに掲げた。

　「学びや育ちを支援する基盤づくり」では、すべての小・中学校に「地域連携担当教職員」として、社会教育主事有資格教員を配置するなど、「地域とともにある学校」への転換を目指すことを盛り込んだ。

　「社会教育を推進する人材養成」では、大学等との連携によって、社会教育主事講習の受講しやすい環境を整備し、すべての市町村教委の社会教育主事配置を目指す必要性を示した。

　「社会教育委員の自律した活動」においては、社会教育委員としての能力向上に向けた研修機会を支援。研修機会を活用した広域的な委員相互の連携促進を目指すよう求めている。

　「公民館等の社会教育施設による多様な事業展開」では、公民館等の社会教育施設を活用し、地方創生に向けた人づくり・地域づくりのための学習機会の実施を支援していく。

　「従来の制度や組織の発展的な見直し」では、これまで以上に実効性のある社会教育行政の推進に向けた組織の見直しを目指すよう呼びかけている。

　このほか、資料として提言に沿った実践事例も盛り込む予定としている。

　会議の冒頭、道教委の成田直彦生涯学習推進局長があいさつ。「提言内容を真摯に受け止め、地域における社会教育の重要性を発信し、市町村に対する支援方策や推進政策を導き出していきたい」と述べ、関係機関が一体となった取組の充実に期待を寄せた。

　このあと、提言案の内容について協議を行った。提言は六月に教育長に手交する予定。

(道・道教委 2016-03-31付)