早期の教育相談・支援体制充実へリーフレットを作成　市町村教委に求められる８取組収録―道教委

（道・道教委 2016-04-11付）

　道教委は、リーフレット『市町村教育委員会における早期からの教育相談・支援体制の充実』を作成した。根室市における子育ての相談支援の工夫などについて報告し、「学校等との連携」など三つの視点から市町村教委に求められる八つの取組をまとめた。

　二十五年九月の学校教育法施行令の一部改正に基づき、障がいのある子ども一人ひとりに十分な教育が保障されるよう、市町村教委では、就学前の早い段階から保護者への教育相談や情報提供の取組が求められている。

　道教委では、二十六・二十七年度に文部科学省委託事業「早期からの教育相談・支援体制構築事業」において、根室市を推進地域として取り組んできた。

　その成果をまとめたリーフレットを作成し、各市町村教委や教育局に配布した。

　リーフレットでは、根室市の取組として、広報『ねむろ』に相談室開設や子育てファイルの作成を市民に伝えるとともに、保護者には『子育て相談支援マップ』を配布。保護者が困ったときや悩んだときにどこに相談できるか周知した。

　書き込み式の子育てファイル『りんくす・ねむろ』では、保健・福祉の「支援ファイル」と教育の「個別の教育支援計画」をファイル化したもので、中学三年生までの子どものいる全家庭に配布した。

　また、保護者研修会として、教育委員会が保健福祉部局と連携し、ペアレントトレーニングを実施したほか、教職員研修として、特別支援教育コーディネーターが集まる機会に行ったことも報告。

　このほか、根室教育局の各町への支援、別海町における引き継ぎのシステム化、岩見沢市における相談対応の工夫の実践も示した。

　実践を受けて、市町村教委に求められる取組として、「相談体制の充実」「子どもや保護者への支援」「学校等との連携」の三つの視点から八つの内容を掲げた。

　市町村教委に求められる八つの取組の概要はつぎのとおり。

▼相談体制の充実

▽障がいのある子どもの保護者の相談を行う担当者を明確にし、保護者からの相談に、きめ細かに応じる

▼子どもや保護者への支援

▽乳幼児健診や就学時健診等において、保護者に「個別の教育支援計画」の意義や様式について情報提供する

▽「支援ファイル」と「個別の教育支援計画」を共有するなど、障がいのある子どもへの良い支援と環境づくりが、就学前から幼稚園や保育所、認定こども園、小中学校等へとつながるように努める。

▽域内の子育てに関する相談機関一覧や相談支援マップを作成し、保護者に周知する

▼学校等との連携

▽就学相談や就学先決定に関する保護者との合意形成の内容について、各学校と共通理解を図る

▽市町村特別連携協議会等において、教職員や特別支援教育支援員等を対象とした研修を実施する

▽保健や福祉担当課、域内の関係機関、保育所や幼稚園、小学校や中学校、高校や特別支援学校の代表等を含めた市町村特別支援連携協議会の会議を実施し、課題解決について協議する

▽就学後も各学校と連携し必要に応じた「学びの場」の変更も視野に入れた実態把握と支援を行う

(道・道教委 2016-04-11付)