高校生の基礎学力定着に向け道教委（文科省指定）　学習改善へ調査研究着手　家庭学習時間確保・指導改善も

（道・道教委 2016-04-11付）

　道教委は、文部科学省の委託を受け、「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」に着手する。調査研究校として、札幌英藍高校を指定し、本年度から三ヵ年計画で研究を推進。生徒の学習意欲の高揚、家庭学習時間の確保、指導の改善を目指し、ＰＤＣＡサイクルでカリキュラム・マネジメントの確立を目指す。仮称・高校基礎学力テストの試行も二十九年度に実施する。

札幌英藍高指定し３ヵ年

　同事業は、内閣府「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」で示された高校教育・大学教育と入学者選抜を通じた高大接続改革を推進するため、高校生の学習意欲の喚起とともに基礎学力の着実な定着を目指して、仮称・高校基礎学力テストの導入検討に取り組む文科省の事業。

　委託を受けた道教委では、三ヵ年計画で研究を行うため、札幌英藍高を調査研究校に指定。生徒の学習意欲の高揚、家庭学習時間の確保、指導の改善の三つを目指し、生徒自身による高校段階における基礎的な学習の達成度の客観的な把握および学力の対外的な提示、教員による学習成果の把握を進める。

　教育目標の実現に向けたカリキュラム・マネジメントの確立を目指す校内委員会を立ち上げ、PDCAサイクル（①育成すべき資質・能力の明確化、指導計画の作成・見直し②アクティブ・ラーニングの視点からの学習・指導法の改善③観点別学習状況の評価の実施、多様な評価方法の研究④分析結果に基づく改善点の指導改善に必要な指導体制・教材研究・教員研修の企画への反映）で検証する。

　対象は、すべての学年の英語・数学・国語・理科・地理歴史・公民。

　道教委では、五月までに学識経験者やPTA、企業などからなる調査研究事業検討委員会と英語・数学・国語の担当指導主事などからなる支援チームを発足。それぞれ年二回程度開催する。

　また、仮称・高校基礎学力テストの試行テストを二十九年度に同校三年生で実施する予定。全管内から二校程度の高校が参加する「新テスト」に関する研究協議会も開き、どう対応するか、学校として何をするかなどについて話し合う。

　成果研究発表会のほか、道教委のホームページ、道高校教育課程研究協議会などで成果を普及していく。

(道・道教委 2016-04-11付)