小中の校務支援システム―道教委 民間ソフトを本格稼働 29年度の導入検討呼びかけ
(道・道教委 2016-04-08付)

 道教委は本年度から、小・中学校における道公立学校校務支援システムで、民間ソフトウエアを本格稼働した。二十七年度に石狩管内のモデル実践校で活用し、学級担任一人当たり、平均で年間九十八時間相当の校務負担が軽減されるなどの成果を上げた。その実績を踏まえ、今月から民間ソフトウエアに移行したもの。道教委では、今後、校務支援システムを活用した学校改善研修会を開くほか、民間の研修機会なども活用して、民間ソフトウエアの概要や活用の成果等を説明。未導入校について、教職員の負担軽減と、それによる教育の質の向上が図られることから、二十九年度の導入に向けて検討するよう呼びかけている。

◆年間98時間相当の負担軽減

 道教委では、学校や子どもたちに関する様々な情報をデジタル化し、教職員間で共有するシステムを構築して、教職員の事務負担を軽減するとともに、子どもの育ちを教職員全体で見守る、きめ細かな指導の充実を図ることなどを目的に、二十四年度から道公立学校校務支援システムを導入している。

 小・中学校の導入数は、今月一日現在で三十七自治体百四十四校に及ぶ。

 市町村教委や学校の要望に応えてシステムの一部を見直し、民間ソフトウエアの導入を検討。二十七年度に、石狩管内の千歳市、恵庭市、石狩市、新篠津村の四自治体で、小・中学校二十八校をモデル実践校として、試行運用を行った。

 使用したソフトは、「EDUCOMマネージャーC4th(シーフォース)」。

 このソフトは、スケジュールや電子会議、勤務時間割り振り業務支援などのグループウエアと、学籍や出欠管理、通知表作成、指導要録・調査書機能などの教務支援システムで構成。各機能を活用し、学校経営の改善・効率化、教職員の校務の軽減・効率化によって、子どもに向き合う時間を確保する。また、子どもの日常所見を入力する「いいとこみつけ」機能などを使って情報を蓄積・共有し、教育の質の向上につなげるほか、情報セキュリティーの確保、家庭との連携機能の搭載などの特色がある。

 モデル実践校での試行運用では、学級担任一人当たり、平均で年間九十八・二時間、一日二十四・五分相当の校務負担を軽減。特に、通知表に関する業務は四十八・二時間、十二・一分の軽減効果がみられた。

 また、実践校からは、子どもの転出入時における各種名簿作成の効率化、生徒指導上の問題がみられる子どもの状況把握、システム導入を契機に子どもの評価方法の改善などの成果が寄せられた。

 これらを踏まえ、道教委は、本年度から民間ソフトウエアの本格稼働に踏み切った。

 今後、未導入校などに対し、校務支援システムを活用した学校改善研修会を開催するとともに、民間の研修機会を活用して、民間ソフトウエアの概要やモデル実践校における活用の成果などを説明。希望に応じて、デモンストレーションも行う。

 道教委は「同一管内で同じシステムを活用することが教職員の負担軽減につながり、それによる教育の質の向上にも有益」と話し、二十九年度導入に向けて検討するよう呼びかけている。

(道・道教委 2016-04-08付)

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