道・道教委がいじめ根絶に向けメッセージ 夢と希望が広がる未来に 子や家族・地域住民等へ呼びかけ
(道・道教委 2016-04-12付)


会見で発表した高橋知事

 道・道教委は八日、いじめ根絶に向けたメッセージ「いじめをなくし、夢と希望が広がる未来を子どもたちに」を発表した。依然としていじめ認知件数が多い状況を踏まえ、〝いじめをしない、させない、見逃さない〟〝いじめられている子どもを守っていく〟ためのメッセージとして作成。子どもたちに「いじめは人間として絶対に許されないこと」「いじめを見たり聞いたりしたときは、勇気を出し声をかけよう」、家族・地域住民に「地域ぐるみで子どもたちを見守ろう」、教育関係者に「些細な変化・兆候も見過ごすことなく、子どもを絶対に守ろう」などと呼びかけている。=メッセージ全文は3面=

 メッセージに関しては、ことしの一定道議会で、高橋はるみ知事が「子どもたちや保護者に対し、自分のこととして考えていただくため、いじめの根絶に向けたメッセージを新学期の始まる四月、子どもたちに届けたい」、柴田達夫教育長が「教職員、児童生徒、保護者に対して、いじめは人間として許されないことなどについて、訴えかけるメッセージを作成・配布する」と答弁していた。

 その後、道と道教委が連携してメッセージを作成。高橋知事が八日の定例記者会見で発表した=写真=。

 高橋知事は会見で、「入学や進級によって、子どもたちを取り巻く環境が大きく変わる時期。北海道の子どもたちが安心して元気な学校生活を送り、夢や希望にあふれ健やかに成長することができるようメッセージを作成した」などと説明した。

 内容をみると、子どもたち、家族・地域住民、教育関係者に対し、〝いじめをしない、させない、見逃さない〟〝いじめられている子どもを守っていく〟ためのメッセージを送っている。

 子どもたちに対しては、「いじめは人間として絶対に許されないこと」として、「絶対にしない、させない気持ちをみんなでもとう」「いじめを見たり聞いたりしたときは、勇気を出して声をかけよう」「一人で悩まずに勇気を出して相談して」などと呼びかけ、「子ども相談支援センター」の連絡先を紹介している。

 家族・地域住民に対しては、「いじめは絶対に許されないことを、子どもたちにしっかりと伝えて」「地域ぐるみで子どもたちを守ろう」など、また、教育関係者には、「教育活動全体を通じ、互いに認め合い、課題を克服できる力を育てよう」「子どもの些細な変化・兆候であっても、早い段階からかかわりをもち、見過ごすことなく、子どもを絶対に守ろう」などと訴えている。

 メッセージは、全道の小・中学校、高校、特別支援学校の子どもたち全員に配布するとともに、道教委ホームページにも掲載。今後、関係機関などを通して、広く周知を図っていく。

 道・道教委のいじめ根絶に向けたメッセージ「いじめをなくし、夢と希望が広がる未来を子どもたちに」はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 夢と希望を胸に、新学期が始まりました。多くの出会いがあります。不安もあります。生活が変化する中、子どもたちがいじめに苦しんだり、悩んだりすることなく、安心して学ぶことができる環境をつくるため、力を結集しましょう。

 いじめをしない、いじめをさせない、いじめを見逃さない、そして、いじめられている子どもを守っていく。そのためのメッセージを送ります。

▼児童生徒の皆さんへ

▽いじめは人間として絶対に許されないことです。自分がされて嫌だと感じることは、絶対にしない、させない気持ちをみんなでもちましょう。

▽いじめを見たり聞いたりしたときは、勇気を出して声をかけましょう。そして、いじめを止めるため、先生や周囲の大人にすぐに伝えてください。

▽いじめられているときは一人で悩まずに友達や先生、家族の方々に勇気を出して相談してください。

※困っているときは、「子ども相談支援センター」に連絡してください。

・フリーダイヤル〇一二〇―3882―五六(無料・二十四時間対応)

▼家族の方々、地域の方々へ

▽いじめは人間としての尊厳を傷付ける卑劣な行為であり、絶対に許されないことを、子どもたちにしっかりと伝えてください。

▽子どもたち一人ひとりが、かけがえのない存在です。いじめられている子どもには、しっかり寄り添い「絶対に守る」という温かい心を示してください。

▽いざこざやけんかと思われるようなことでも、背景にはいじめが隠れている場合があります。地域ぐるみで子どもたちを見守りましょう。いじめを見かけた場合には、直ちにいじめをやめさせ、学校や家庭に連絡してください。

▼教職員など教育関係者の皆さんへ

▽「いじめをしない、させない、見逃さない」学校づくりを目指し、教育活動全体を通じ、子どもたちが互いに認め合い、課題を克服できる力を育てましょう。

▽子どもたちと触れ合う機会を大切にして、子どものささいな変化・兆候であっても、いじめとの関連を常に考慮して、早い段階からかかわりをもち、見過ごすことなく、子どもを絶対に守りましょう。

平成二十八年四月

北海道知事 高橋はるみ

北海道教育委員会教育長 柴田達夫

(道・道教委 2016-04-12付)

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