文科省「不登校児童生徒への支援モデル」 小樽など4市に人材配置 センター等設置促進へ検証―道教委
(道・道教委 2016-04-22付)

 道教委は本年度、文部科学省委託事業「フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業」に着手する。文科省が用意した二メニューのうち、「教育支援センター等の設置促進支援」を選択。事業期間は単年度。小樽市教委、石狩市教委、苫小牧市教委、岩見沢市教委に事業委託し、不登校児童生徒が通う教育支援センターや適応指導教室などへ人材を配置する。家庭訪問やICTを活用した学習支援、関係機関等とのコーディネートなどを行う。

 本道における二十六年度の不登校児童生徒数は、小学校で八百十二人、中学校で三千四百四十七人、高校も八百五十六人となっている。道内四十三市町村に教育支援センターや適応指導教室が設置されており、不登校児童生徒が通っている。

 文科省では、不登校児童生徒一人ひとりの状況に応じて、自らの進路を主体的にとらえ、社会的自立に向けた学習等の活動に取り組むことができるよう、学校や教育行政機関等が連携して、不登校児童生徒に対する生活面・学習面の支援を行うため、同事業を進めることとした。

 同事業では「フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援」「教育支援センター等の設置促進支援」の二つのメニューを示しており、道教委では後者を推進する。

 国が設定した三つのモデル的な取組を、小樽市教委、石狩市教委、苫小牧市教委、岩見沢市教委に再委託して、試行的に実践し検証。その効果や課題を明らかにするとともに、不登校児童生徒の状況に応じた総合的な教育支援体制の構築を図る。

 事業期間は単年度。教育支援センターや適応指導教室など不登校児童生徒の多様な状況に応じた学習の場の設置促進のためのコーディネーターを配置する。

 配置を受けた各市教委は、①新規設置②アウトリーチ型支援(教育支援センター等に通うことが困難な不登校児童生徒に対して、家庭訪問を通じての相談、学習支援を行う、または、ICTを活用した学習指導を行うための支援員を配置し、広域的な支援体制を整備)③教育支援センター等の機能拡充(地域の不登校支援の中核的機能を果たすため、不登校児童生徒のアセスメント、不登校児童生徒に対応する学校への助言・援助を行う人材を教育支援センターに配置し、地域全体で不登校児童生徒を支援する体制を整備)―から取組を選択し、道教委と連携して進める。

 うち、②について取り組む石狩市教委は、不登校児童生徒とその保護者を対象に、適応指導教室を開設する「ふらっとくらぶ」に一人を配置する。

 すでに学校適応指導教室「あおば学級」を置く苫小牧市教委では、③型として一人を配置し、学習や進路への支援を行うために関係機関との連絡調整を進める。岩見沢市教委も③型を推進する方向で、不登校の児童生徒の学校復帰を目指して、個に応じた楽しい体験活動や学習支援を行っている「登校支援室」の体制を充実する。

 小樽市教委は、既設の学校適応指導教室において、②型と③型の両方に取り組む。

 今後、道教委では年二回の連絡協議会を開き、情報交流し、成果を道内に広く普及・啓発する。

(道・道教委 2016-04-22付)

その他の記事( 道・道教委)

十勝局が市町村教委教育長会議 教育充実へ協力求める 担当各課が所管事項説明

十勝管内教育長会議  【帯広発】十勝教育局は十三日、十勝教育研修センターで管内市町村教育委員会教育長会議を開催した=写真=。管内十九市町村の教育長等が出席。担当各課がそれぞれ所管事項について説明し、管内教育のさ...

(2016-04-25)  全て読む

道教委が高校進路指導対策会議開く 地域人材育成へ共通理解 120人参加し実践発表、分科会など

高校進路指導対策会議  道教委は二十一・二十二日、札幌市内の北農健保会館などで二十八年度高校進路指導対策会議を開催した=写真=。中学校・高校・特別支援学校高等部の進路指導担当教員、校長など約百二十人が参加。講演や...

(2016-04-25)  全て読む

27年度学校給食実施状況―27年5月1日現在道教委まとめ 完全給食実施1749校 米飯は週平均3.1回提供

 道教委は、道内公立学校の二十七年度学校給食実施状況(二十七年五月一日現在)をまとめた。小学校、中学校、特別支援学校、夜間定時制高校の四校種一千八百七校のうち、完全給食(パンまたは米飯、ミル...

(2016-04-25)  全て読む

オホーツク管内28年度教育推進の重点―高・特 主体的な学びの充実要請 豊かな心の育成へ地域を挙げて

オホ高特校長会議  【網走発】オホーツク教育局は十五日、オホーツク合同庁舎で二十八年度管内高校長・特別支援学校長会議を開催した=写真=。田中宣行局長が、①確かな学力の育成をめざす教育の推進②一人ひとりの教育的...

(2016-04-22)  全て読む

石狩管内28年度教育推進の重点―高・特 課題解決への取組推進を 積極果敢な学校改革に期待

石狩局重点  石狩教育局は十五日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度管内道立高校長・特別支援学校長会議を開催した=写真=。馬橋功局長は本年度の重点として、①やさしさとたくましさをもち、未来に向かって学...

(2016-04-22)  全て読む

体力向上へ取組の参考に 道教委が運動プログラム・実践研究事例集

体力向上パートナーシップ事例集  道教委は、『二十七年度体力向上パートナーシップ形成事業運動プログラム・実践研究事例集』を作成した=写真=。道教育大学岩見沢校や北翔大学、北海道日本ハムファイターズなど八団体の運動プログラム...

(2016-04-22)  全て読む

道教委が新任社教班主査・主事研修会 専門性・資質の向上へ 講義や演習などで研鑚積む

新任社教主査・社教主事研修会  道教委は、札幌市内かでる2・7などを会場に、十九日から二十八年度新任社会教育指導班主査等研修会および新任社会教育主事研修会を開催した。新任社会教育指導班主査等研修会は四人が参加して二日間日...

(2016-04-22)  全て読む

道教委 全道代表高校長研で所管事項説明③

◆学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 【二十七年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査】  いじめの重大事態や、不登校生徒にかかわる調査項目が変更・追加される予定。各学校...

(2016-04-21)  全て読む

管内市町村教委教育長会議開催 確実な前進へ取組を 教育推進の重点を説明 宗谷局

宗谷管内市町村教委教育長会議  【稚内発】宗谷教育局は十四日、稚内総合文化センターで第一回管内市町村教育委員会教育長会議を開催した=写真=。野﨑弘幸局長が本年度の教育推進の重点の概要について説明し、「関係機関との連携を一...

(2016-04-21)  全て読む

上川管内28年度教育推進の重点 上川局が管内公立小中校長会議開く 質高い実効性ある取組を 知・徳・体のバランスとり育成

上川管内教育推進の重点  【旭川発】上川教育局は十五日、上川合同庁舎で二十八年度管内公立小中学校長会議を開いた。小野寺一郎局長=写真=が本年度の管内教育推進の重点を説明した。「確かな力、豊かな心、健やかな体のバラン...

(2016-04-21)  全て読む