江差高が選択科目「江差追分」開講　まちの文化、唄い継いで　講師は同校ＯＧの民謡歌手

（学校 2016-05-09付）

「譜面を見ずに歌えるようになりたい」と生徒たち

　【江差発】江差高校（榎本敏生校長）は本年度も選択科目「江差追分」を開講し、生徒三人が熱心に唄を学んでいる＝写真＝。講師を務めるのは、同校ＯＧで民謡歌手の寺島絵里佳さん。本年度から初めて指導に当たることになり、「江差追分を唄い継いでほしい」と若い世代に期待を託す。生徒は、「譜面を見ずに唄えるようになりたい」と意気込んでいる。

　十八年度から始まった単位制選択科目の「江差追分」。昨年度まで江差追分会から派遣された上席師匠・浅沼和子さんが授業を行ってきた。

　本年度は、第四十一回江差追分全国大会で優勝した経験をもつ寺島さんが、江差追分会の推薦を受け、同校で指導を行う。火曜日と木曜日の週二回、年間約六十時間の授業を担当する。

　一回目となる四月中旬の授業では、寺島さんが民謡に関する基礎知識、江差追分の歴史、基本譜の唄い方などを説明。「まずは音をつかむこと。八つの節をどうやって唄うのか覚えていただきたい」と語り、〝せつど、のし、本すくり〟などの唄い方を実演してみせた。

　一年前から江差追分を個人的に習っているという近江谷つくしさんは「江差追分は奥が深いので、もっと勉強したい」、初めて習う山吹賢治君は「独特の唄い方が難しいが、譜面を見ずに唄えるようになりたい」と話していた。

　寺島さんは「〝江差追分を守っていきたい〟という強い気持ちを、つぎの世代につなげたい。未来に向けて、江差追分を唄い継いでもらいたい」と期待を寄せている。

(学校 2016-05-09付)