札幌市学校図書館協議会が総会　全道大会に向け学習会開催　役員改選―荻原会長を再任

（関係団体 2016-05-09付）

総会・第１回実務研修会

　札幌市学校図書館協議会は四月二十八日、札幌市中央図書館で二十八年度総会および第一回実務研修会を開催した。来年度、札幌市で開かれる全道大会に向けて授業づくりに関する学習会を開くほか、十二月に第四十回研究大会を行うなど本年度の活動計画を決定。会則改定で幹事長職を廃止したほか、役員改選で荻原啓会長を再任した。

　二十七年度の活動や決算を報告したあと、二十八年度活動計画について審議した。推進計画では、「札幌市の特色ある教育を進めるための研修・研究の充実」「学校・家庭・地域社会とのかかわりの中での学校図書館の在り方の検討」を取組の重点に設定。司書教諭や学校司書の交流機会を設け、日常の読書活動が効果的になるよう、学校図書館の活用の仕方について実践を通して検証し、広く発信していく。

　研究主題は「豊かな未来を拓く力を育む学校図書館の創造～学ぶ喜び、味わう楽しさ」。子どもたちに様々な情報や資料を活用しながら学ぶことの喜びを感じさせ、本を読むことの良さ、味わうことの楽しさに気づかせるために、司書教諭、図書館担当者、学級担任がどのようなかかわりをもっていくことが望ましいかを考えていく。

　具体的には、学校図書館に「学習情報センター」「読書センター」の機能を充実させることで教育課程にどのように寄与することができるのか、また、公共図書館、開放図書館など地域にある図書館機能を学校現場でどのように活用していくことが良いかを追求していく。

　第四十回札幌市学校図書館協議会研究大会は、十二月一日に市内の小学校で行い、年四回行っていた実務研修会のうち、二回目と四回目を、来年度に札幌市で開く全道大会に向けた授業づくりの研修会とする。五月下旬の第二回は授業づくりの基礎を学び合い、十月の第四回は幼稚園の授業について研究する。

　読書感想文コンクールは、九～十月に審査を行い、十一月十二日に中央図書館で表彰式を執り行う。

　会則も改正し、幹事長職を廃止とした。役員改選では、荻原会長を再任したほか、新事務局長には札幌市立南が丘中の冨田明好校長を選出した。

　本年度の役員体制はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽会長＝荻原啓（厚別南中校長）

▽副会長＝渡部良子（聖ミカエル幼園長）、松井良彰（あやめ野小校長）、木村佳子（あやめ野中校長）、鳴海昌江（札幌清田高校長）

▽監査＝川嶋英輝（豊平小校長）、葛西孝之（宮の丘中校長）

▽事務局長＝冨田明好（南が丘中校長・新）

◆知を活かす連携深めて　中央図書館・千葉調査担当課長が講演―実務研

　札幌市学校図書館協議会の二十八年度総会に先立ち、第一回実務研修会が行われ、札幌市中央図書館の千葉孝一調査担当課長が「知を活かす連携に向けて」と題して講演した＝写真＝。

　千葉課長は、二十七年十一月に家庭・地域、図書館、学校の社会全体で子どもの自主的な読書活動を支える環境を整えるため、「さっぽろっこ読書プラン」を策定したことを振り返り、「知は人の頭の中にあるもので、それと図書館の本を結び付けることが大切」と強調。そのために図書館の本をできるだけ多くの人に読んでもらう必要性にふれ、札幌市中央図書館のレファレンスを利用するよう呼びかけた。

　レファレンスの類型として、「資料の蔵書調査」「書名・著者名・出版社・出版年・ページ数など資料のもつ情報の調査」「あるテーマに対してどのような資料があるかを調査し、利用者が求めている情報が掲載されている資料を紹介する調査」「特定の事柄に関する事実について資料を根拠にして、利用者が求めている情報を提供する調査」があることを説明し、電話やメールなどでも情報提供できることを述べた。

　また、日本十進分類法（ＮＤＣ）に注目させて一～九類から一冊ずつ一つのテーマに基づいた本を探す活動を紹介し、「ＮＤＣを地図としてみて、図書館でどのように探すのか体験させることが大切」と助言した。

(関係団体 2016-05-09付)