市町村の学校施設整備予算確保へ 財源確保し早急な採択を 道都市教育長会・道町村教委連が道教委に緊急要望
(関係団体 2016-05-24付)

緊急要望書都市教育長会
道都市教育長会の長岡会長(写真左)が柴田教育長に要望書を提出

 道都市教育長会(長岡豊彦会長)、道町村教育委員会連合会(栗本英彌会長)は二十日、道教委に対して公立学校施設整備予算に関する緊急要望を相次いで行った。文部科学省が本年度公立学校施設環境改善交付金の内示で、危険改築事業や不適格改築事業などの新規要望事業の大部分を未採択としたことに対応したもの。道都市教育長会、道町村教委連ともに、各市町村が計画している公立学校施設整備に支障を来すことのないよう、必要な財源を確保し、未採択となった事業が可及的速やかに採択されることを求めている。

 本年度当初時点の国の公立学校施設整備費は、二十七年度補正予算の二十八年度執行分と二十八年度当初予算とを合わせても一千九十七億円で、文科省の概算要求額に比べて約一千億円少ない。そのため、文科省は、「二十七年度未採択事業で二十八年度執行可能な事業」「危険改築や不適格改築の継続事業」を優先し、二十八年度新規事業については、財源が生じた場合に採択する方針を決めた。

 これらの状況を受け、市町村の公立学校施設整備事業に対する交付金が未採択となり、工事中止などに追い込まれる事態が発生。本道においては、道教委のまとめによると、四月十九日現在で、六十二市町村の二百四十六件、八十七億七千百万円の事業計画のうち、危険改築事業や不適格改築事業、大規模改造事業など五十三市町村の百五十一件、三十四億七千二百万円が未採択となった。

 このような中、今月十二日、道都市教育長会は滝川市、道町村教委連は札幌市でそれぞれ総会を開き、道教委に対する要望事項を決定。公立学校施設整備予算の確保については、喫緊の課題であることから、緊急要望を行うこととした。

 二十日に道教委を訪れた道都市教育長会の長岡会長は、柴田達夫教育長に要望書を提出。同日、道町村教委連の豊島滋副会長も道教委に赴き、柴田教育長に要望書を手渡した。

 いずれも、今回の未採択に対する遺憾の意を表するとともに、子どもたちに安全安心な教育環境を確保するため、施設整備の必要性を指摘。各市町村が計画している公立学校施設整備に支障を来すことのないよう、必要な財源を確保し、未採択となった事業が可及的速やかに採択されることを求めている。

 道都市教育長会と道町村教育委員会連合会の道教委に対する緊急要望内容はつぎのとおり。

◆道都市教育長会

 今般の学校施設環境改善交付金の内示では、優先採択事業として示された継続事業等を除き、危険改築や不適格改築、老朽化に伴う大規模改造事業など新規要望事業の多くが未採択となっている。

 道内各都市の学校耐震化は全国平均と比べ遅れており、早期の耐震化完了に向けて一層取組を進める必要がある中で、改築により耐震化を図る老朽化した施設も多く、こうした安全面での不安を抱えた施設の改築等は喫緊の課題となっている。

 各都市では、こうした地域の実情を踏まえて施設改修・整備の計画を策定しているところであり、今回、多数の交付金事業が未採択となったことは極めて遺憾である。児童生徒の安全な教育環境を確保するためには、これからもこうした改築を含めた耐震化を進めるとともに、機能面で不十分な施設については整備を確実に進めていく必要がある。

 以上のことから、各都市が計画しているすべての公立学校施設整備に支障を来すことのないよう、必要な財源を確保され、今回未採択となった事業については可及的速やかに採択されることを要望する。

◆道町村教育委員会連合会

 先に内示のあった二十八年度学校施設環境改善交付金の採択状況においては、継続事業については優先採択されたが、新規要望事業については、危険改築事業や不適格改築事業、防災機能強化事業等の大部分が未採択となった。

 道内の学校耐震化は全国と比べ遅れており、早期の取組が必要であるほか、老朽化した施設も多く、施設・設備の改築・改修等は喫緊の課題となっている。

 各町村においては、それぞれの地域の実情を踏まえて施設等整備計画を作成しているところであるが、今回多数の事業が未採択となったことは、極めて遺憾であり、将来的な整備計画にも重大な影響を及ぼすことが憂慮される。

 学校は、子どもたちが一日の大半を過ごすとともに、災害発生時においては避難所となることから、安全安心な学校施設の整備は最優先で取り組まなければならない課題であり、耐震化をはじめとする取組を確実に進めていくことが必要である。

 以上のことから、各町村が計画している公立学校施設整備に支障を来すことがないよう、必要な財源を確保し、今般不採択となったすべての事業が可及的速やかに採択されることを要望する。

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緊急要望書道町村教委連
道町村教委連の豊島副会長(写真左)が要望書を手渡した

(関係団体 2016-05-24付)

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