文科省「チーム学校実現へ業務改善等推進」　東神楽町が事業受託　モデル校に東聖小―事務職員加配も

（市町村 2016-06-01付）

　【旭川発】東神楽町は本年度、文部科学省の委託事業「チーム学校の実現に向けた業務改善等の推進事業」を受託した。子どもと向き合う時間確保と授業改善に向け、一年かけて学校マネジメント力強化や学校組織体制の見直しを図る。そのため、兵庫教育大学に調査研究を依頼し、ヒアリングやアンケート調査の結果をもとに、十月からモデル校の町立東聖小学校で改善策を一部導入。年明けに具体的な内容を学校に提案することとしている。

◆子どもと向き合う時間確保

　いじめや不登校等の教育課題が山積し、学校現場の負担が増す中、国では教職員を中心に多様な専門スタッフによるチーム体制を構築し、現場の業務改善につなげる「チーム学校」を提唱。教職員の多忙化解消によって、子どもと向き合う時間を確保するとともに、授業改善による教育水準の向上を図るため、本年度から同事業をスタートさせた。

　今回、同町が事業を受託。期間は一年間。人口が増加している地域で、約四百人の児童が通う東聖小をモデル校に指定した。

　研究課題は、「学校における業務改善のための学校マネジメント力強化や教職員等の役割分担などの組織体制の見直しによるチーム体制を構築することの効果について検証を行う」と設定した。

　チーム学校の実現のため、学校のマネジメント力の強化を重視。従来の学校組織で目が向けられてこなかった総務や企画財政分野を見直す。それに伴い、同校に事務職員一人を加配した。

　具体的には、兵庫教育大に調査を依頼し、教職員や町教委、道教委および上川教育局にヒアリング・アンケート調査を六月、八月、九月に実施。学校の業務や組織体制、教職員の役割、地域とのかかわりなどについて、モデル校や町教委、道教委、同大学からなる研究推進チームで分析・検証する。

　結果をもとに、業務改善や学校マネジメント、組織体制の改革等を提言。十月から提言内容を一部実践しながら課題を修正していく。

　このほか、六月と八月、二十九年一月と二月に研究事業研修会を開催。第三回で具体的な改善策を学校に提案し、第四回でこれまでの研究成果を発表する。

　また、八月と十一月に「子どものための地域・学校づくり熟議」を開いて情報交換と協議を行い、事業の深化を図る。

　水野和男教育長は「教職員の多忙化解消の取組を科学的に研究・実証し、効果的な取組をリストアップしたい。そうして、東神楽流の質の高い教育実践を進め課題解決を図りたい」と話している。

(市町村 2016-06-01付)