札幌市教委が全国体力・運動能力等調査説明会　健やかな身体の育成を　実施上のポイントなど解説

（市町村 2016-06-02付）

中学校の管理職が参加

　札幌市教委は五月三十日、市内ちえりあで二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査および「健やかな身体」育成プログラム作成にかかる説明会を開催した＝写真＝。市立中学校の管理職が参加。体力向上に向けて、同調査の留意点や育成プログラムの作成・実行のポイントを説明した。

　冒頭、引地秀美学校教育部長があいさつ。体力・運動能力について、各学校の取組によって成果が上がっているものの、課題があることから、「生涯にわたって健やかに生きていくための基盤となる体力を育むため、学校と教育委員会が一体となって、関係機関を巻き込みながら取組を推進していく必要がある」と述べた。

　また、「自校の生徒の体力・運動能力など現状を把握して『健やかな身体』育成プログラムを作成し、体力向上に向けた取組が精力的に日常的に行われるようリーダーシップを発揮してほしい」と呼びかけた。

　続いて、教育課程担当課の大井一雄義務教育担当係長が二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の実施方法等について説明。調査実施にかかる管理職の役割や調査の概要、対象学年、留意点等を提示したほか、事前に実施方法を説明するなど、生徒が積極的に取り組める環境づくりを呼びかけた。

　引き続き、大井係長が「健やかな身体」育成プログラムの作成・実行について説明。縄跳び運動や雪かき汗かきチャレンジ、中学校文化系部活動等スポーツ大会などによる成果を示したほか、調査結果から札幌市の中学二年生の全体的な状況を示した。

　前年度の調査結果では、ほとんどの種目で全国平均を下回っているものの、改善の兆しがみられることにふれたほか、今後の課題として、運動・食事・睡眠のバランスのとれた生活習慣の確立を挙げた。

　市教委が本年度改訂したさっぽろっ子「健やかな身体」の育成プランについて改訂ポイントを説明。小・中学校の取組として、「健やかな身体」育成プログラムの作成・実行を新たに位置付けること、市教委の取組として体力・運動能力の向上や部活動の活性化の内容を充実させることを挙げた。

　また、「健やかな身体」育成プログラム作成のポイントとして、①「健やかな身体」の育成に向けた目標を、「目指す子ども像」として具体化し、全教職員で共有②前年度の取組の成果と課題を取組の工夫改善につなげる→毎年のプログラムの見直し・改訂③「目指す子ども像」の実現に向けた取組を具体化し、全教職員で共有。その中で最も徹底して行う取組を焦点化④取組の成果検証方法の明確化⑤プログラムの前年度からの変更点の明確化―の五点を挙げた。

　プログラムの作成については、管理職や教務主任、保健体育科教諭、栄養教諭等のチームで行い、職員会議等を通じて教職員全体で共有を図るよう求めた。

なお、小学校を対象とした説明会は十日に行う予定となっている。

(市町村 2016-06-02付)