中1ギャップ問題未然防止事業―道教委 岩見沢など5地域で実施 中学校に生徒指導教員加配
(道・道教委 2016-06-06付)

 道教委の二十八年度中一ギャップ問題未然防止事業推進地域が決定した。岩見沢市立東光中学校区など五地域。各推進地域では、検討委員会を設けるなどして推進体制を整備し、人間関係づくりの能力育成や学習指導・生活指導における小・中学校の円滑な接続などに取り組む。本年度は、実施要項を一部改正し、中学校に対し、生徒指導に関する教員一人を加配。小・中学校の円滑な接続・移行のため、小学校との人的な協力・連携に活用する。

 社会的スキルの定着が不十分等の個人的要因、家庭的な要因などを抱えた子どもが、小学校から中学校に進学する際、学習環境・生活環境の大きな変化に適応できず、不登校やいじめの認知件数が増加するといった中一ギャップ問題が指摘されている。

 同事業では、子どもの人間関係づくりの能力の育成や小・中学校間の連携を促進するとともに、家庭や関係機関との情報共有を図るなど、中一ギャップ問題解消の取組を実施する。

 道教委が市町村教委を指定。中学校区を推進地域、域内の中学校と小学校を推進校とする。

 本年度は、岩見沢市立東光中など五つの中学校区を推進地域に決定した。

 各推進地域では、中一ギャップ検討委員会を設置するとともに、校区の中一ギャップ解消プランの作成、推進校が連携した取組を推進するための中心スタッフの任命を通して、事業推進体制を整備。

 人間関係づくりの能力の育成を図る小・中学校の円滑な接続の取組として、よりよい人間関係を築くために必要な社会的スキルを育成する活動の教育課程への適切な位置付け、学校行事や児童会・生徒会活動等の合同実施による子どもたちの交流、教育相談や学習・生活に関する記録に基づく小・中学校合同の事例検討・実践交流、スクールカウンセラーや指導主事を講師とした小・中学校合同研修会などを行う。

 また、学習指導や生活指導の小・中学校の円滑な接続のため、小・中学校間での学習規律・生活規律の改善に関する一貫した取組、学年相互の関連を明確にし、小・中学校九年間を見通した指導、相互の授業参観や出前授業等の小・中学校が連携した指導方法・体制の充実、子どもの学習状況・生活状況の引継の工夫改善などを進める。

 そのほか、子どもたちが学校・学級活動によりよく適応するための教育活動全体を通じたガイダンス機能の充実、小・中学校合同のいじめ根絶に向けた子ども会議等の子どもたち主体の活動、家庭学習の時間やゲーム・テレビ・スマートフォン等の利用時間を含む生活リズムや家庭での過ごし方についての家庭との連携などにも取り組む。

 事業実施に当たり、子ども理解支援ツール「ほっと」や生活アンケート、全国学力・学習状況調査、問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果等の客観的データ、また、学校評価などを通して、現状の把握と取組の検証・改善を図る。

 本年度は、実施要項を一部改正し、中学校に対し、生徒指導に関する教員一人を加配。小・中学校の円滑な接続や移行を図るため、小学校との人的な協力・連携に活用する。

 本年度の推進校はつぎのとおり。

▽岩見沢市=東光中、東小、岩見沢小

▽室蘭市=桜蘭中、知利別小、旭ヶ丘小、八丁平小

▽東川町=東川中、東川小、東川第一小、東川第二小、東川第三小

▽豊富町=豊富中、豊富小

▽標茶町=標茶中、標茶小

(道・道教委 2016-06-06付)

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