【解説】「1億総活躍プラン」閣議決定
(解説 2016-06-09付)

 政府は二日、経済財政運営の基本指針「骨太方針」と人口減少社会の克服に向けた「ニッポン1億総活躍プラン」を閣議決定した。プランでは、返還不要の「給付型奨学金」について、「創設に向けて検討」を明記した。

 このほか、「新たな成長戦略」と「規制改革実施計画」を同時に閣議決定。骨太方針は、来年四月の消費税の引上げを前提にした環境整備の文言を削除し、平成三十二年度に基礎的財政支出を黒字化する目標は堅持すると強調。国内総生産(GDP)六百兆円の実現に向け、子育て支援の拡充などを通して、人材の活用と生産性の向上を図る。

 一方、プランでは、奨学金制度の拡充として、「無利子」「有利子」「給付型」「所得連動返還型」奨学金を進めるとした。このうち、大学生等を対象にした返済不要の給付型奨学金については、素案では「給付型支援の拡充を図る」との表現にとどめていたが、「創設に向けて検討を進める」と明記した。

 また、課題を抱えた子どもたちへの学びの機会の提供として、特別な配慮を必要とする児童生徒のための学校指導体制の確保、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置など教育相談機能の強化に取り組む。

 いじめや発達障害などの様々な事情で不登校となっている子どもが、自信をもって学んでいけるよう、フリースクールなどの学校外で学ぶ子どもへの支援を行い、夜間中学の設置促進を図る。

 経済的な理由によって学習が遅れがちな子どもを支援するため、大学生や元教員などの協力およびICTの活用などによる原則無料の学習支援を行う地域未来塾を、三十一年度までに全中学校区の約半分に当たる五千ヵ所に拡充することなども盛り込んだ。

(解説 2016-06-09付)

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