札幌藻岩高の自転車交通安全教室　再現事故で怖さ実感　スケアード・ストレイト法を活用

（学校 2016-06-17付）

プロのスタントマンが交通事故を再現

　札幌藻岩高校（梅原宏之校長）は九日、同校体育館でスケアード・ストレイト教育技法による自転車交通安全教室を開催した＝写真＝。一・二年生六百三十九人がプロのスタントマンによる再現事故を目の当たりにし、交通ルールやマナーを守ることの重要性をあらためて実感した。

　札幌市内における二十七年中の自転車乗用中被害による死傷者のうち、四三・二％は自転車側にも何らかの違反があった。この状況を受け、日ごろから自転車を利用する機会の多い高校生に対して中・長期的な交通安全教育を推進していく必要があることから、事故の恐ろしさを実感してもらうスケアード・ストレイト教育技法を用いた同教室を実施。市や所管警察署との共催で、市内の十三高校において、プロのスタントマンによって実際の事故を再現する。

　このうち、札幌藻岩高は、避難訓練後の実施となった。冒頭、梅原校長があいさつし、「この行事を通して自分の命を守るのは自分しかいないということを自覚してほしい」と強調。併せて、同校が自転車で通学している生徒が多く、交通量が多い道路に面していることにふれ、「加害者とならないよう、弱者の命を守ることも意識して」と求めた。

　続いて実技講習に入り、自転車に乗ったスタントマンが時速二十㌔㍍で跳び箱に衝突。激しい音とともに、宙に放り出されたスタントマンを見て、生徒からは驚きの声が漏れた。イヤホン・携帯電話を利用しながらの運転や二人乗り、並走など、若者がやってしまいがちな危険な乗り方を紹介し、これらのマナー違反が引き起こす事故の様子を再現。小さな違反行為が大きな事故を引き起こすこと、自分勝手な考えが事故につながるということを伝えた。

　このほか、夜間無灯火による正面衝突や見通しの悪い交差点での接触などを再現。この際、見通しの悪い交差点の危険性を知ってもらうために、交差点のどこまで進むと対面する人を認識できるかという体験も行った。今回再現を行ったワイルドスタントチームの男性は、「今回見せたのはあくまで再現。見たこと聞いたこと感じたことを決して忘れずに、今後も交通安全を守るよう心がけてほしい」と述べた。

　このあと南警察署から総括説明。管内でことし発生した自転車事故十四件における当事者の四割が十代であることを踏まえ、事故を人ごとではなく自分のこととしてとらえるよう求めた。

　最後に生徒会長の神谷柚衣さんが「交通ルールやマナーを順守して交通事故防止に努め、他人に迷惑をかけない自転車の安全利用に努めます」と自転車安全利用宣言を行った。

(学校 2016-06-17付)