倶知安農業高が外務省職員招き講演会　好奇心の重要性理解して　世界との付き合い方テーマに

（学校 2016-06-22付）

「外交官が語る世界との付き合い方」と題して講演

　【倶知安発】倶知安農業高校（鎌田一宏校長）は十四日、同校同窓会と共催の特別講演会「外務省職員による講演会」を開催した。講師を務めた外務省国際情報統括官第三国際情報官室の中條一夫氏は「外交官が語る世界との付き合い方」をテーマに、海外と日本のかかわり方について講演した＝写真＝。

　講演会は、一般公開され、五十人以上の保護者や同窓生、地域住民も参加した。

　開催に当たって、鎌田校長があいさつ。中條氏の紹介と本年度同校が取り組む「国際性」をテーマとした教育活動のねらいを説明した。

　講演で中條氏は、高校時代のアメリカ留学体験にはじまり、国際的な仕事へのあこがれから外務省職員として勤めることになった経緯、外務省の役割や外交官の仕事についてスライドを交えて紹介した。

　続いて、「世界との付き合い方」について、高校生に向けて具体的に語学力とコミュニケーション能力の違いを説明。会話・コミュニケーションには、語学力とその中身・内容に加えて、度胸の三つの要素が必要であることを図解しながら説明した。

　さらに、世界とかかわるために必要な能力を鍛えるには、一人ひとりの素質に加え努力が必要であることや、何事に対しても繰り返すことの重要性、適度な負荷を加えた訓練の必要性を説いた。

また、将来に向けたグローバル人材に求められる資質として、特に「好奇心」の重要性を強調。身近なものから世界に至るものまで、「未知なもの、違いのあるものを嫌わない、恐れない」という価値の大切さを生徒たちに伝えた。

　このほか、農業をめぐる世界情勢について解説。今後の日本経済を想定した農業生産の在り方や取組について説明した。

　質疑応答では、三年生がすべて英語で質問し、中條氏も英語で返答。併せて、日本語での解説も加えたやりとりを繰り広げた。

　参加者は、日ごろ聞くことのできない話題に、真剣な表情で耳を傾けていた。

(学校 2016-06-22付)