道内私学の「いじめ重大事態」 再調査の必要性はなし 調査委員会が知事に回答
(道・道教委 2016-06-17付)

 道は十五日、道内私立学校における「いじめ重大事態」への対応について発表した。複数の生徒から継続的ないじめを受けた生徒が重傷を負った事案について、当該学校が報告書を知事に提出。知事から再調査の必要性の有無について意見を求められた道いじめ調査委員会が審議の結果、「再調査の必要性はない」と回答したことを明らかにした。

 道の発表によると、二十六年度に道内の私立学校の生徒が、同じ学校の二人の生徒から暴力行為を受ける事案が発生。当該学校は、道いじめの防止等に関する条例に定める「いじめ重大事態」として、知事に報告した。

 学校では、二十六~二十七年度に校長や関係教員、第三者で構成するいじめ対策委員会を設置し、「重大事態」についての調査を実施。二十七年度に報告書を取りまとめ、知事に提出した。

 知事は、道いじめ調査委員会に再調査の必要性の有無について意見を求めた。調査委員会は、二十七~二十八年度に計六回の審議を行った結果、今月二日に、「再調査の必要性はない」と回答した。

 この事案で、被害生徒は加害生徒二人から継続的にいじめを受けており、その暴力行為によって、骨折などの重傷を負った。三人は同じ部活動に所属し、行動を共にすることが多く、表面上は仲がよいと見えていたが、教員が見ていないときにいじめが起きていた。また、同じ寮で生活しており、学校だけではなく、寮でもいじめがあったという。

 調査委員会は、今回の回答の理由として、学校がいじめと認めるなど事実解明がされていること、被害生徒と保護者が再調査を求めていないこと、学校がいじめの重大性を再認識して再発防止策を講じており、今後も、学校全体の取組をより改善し、いじめ防止に取り組んでいく意思を確認できたことを挙げた。

(道・道教委 2016-06-17付)

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