デートDV防止へ釧路商業高 男女の対等な関係築いて ロールプレイなどで理解深める(学校 2016-06-30付)
1年生の家庭科授業で実施
【釧路発】釧路商業高校(小笠原茂美校長)は二十三日、一年生の家庭科の授業「家庭基礎」で「デートDV防止出前講座」を実施した=写真=。NPO法人駆け込みシェルター釧路の穂積貴美子理事を講師に迎えた。うち一年A組では生徒三十八人が参加し、ロールプレイングなどを通して、男女の対等な関係の大切さを学び合った。
若年層における暴力の実情や予防啓発の必要性など、DVについての理解や知識を深めることを目的に、一年生四クラスで実施した。
はじめに、穂積氏は「対等な関係をつくるために~デートDVを知っていますか」をテーマに、デートDVの定義や、暴力にはどのようなものがあるのかを説明した。
暴力には、「たたく」「ける」だけではなく、「無視する」「体にさわる」「写真をとる」「お金をたかる」「うわさを振りまく」など、身体的暴力、精神的暴力、経済的暴力、性的な暴力があることを伝えた。
続いて、生徒が男女の役になって、「つぎの日曜日の予定を話し合っている場面」や「デート中に携帯電話をめぐって言い争いをしている場面」をロールプレイングで演習した。台本をもとに演技をした生徒は、「こんな自己中心的な彼はいやだな」「アドレスは教えないほうが良いと思う」などと感想を述べていた。
穂積氏は引き続き、「結婚している女性の三人に一人」「二十代・三十代の女性の五人に一人」がDVを受けていることや、殺人の被害は男性にも多いことをデータで示した。
また、DVが起こる要因としては「暴力を容認する社会的な見方がある」「偏った性別役割意識がある」とし、DVがあっても別れないのは「いやなことでも我慢するのは当たり前」「相手が怒るのは私が悪いから」と考える人が多いためと説明した。
このあと、対等な関係をロールプレイング。生徒からは「前回より二人の関係は良くなった」と、対等な関係であることの大切さを学んだ。
穂積氏は「もし、友達からDVのことで相談されたらあなたはどうするか」「もし、自分が被害に遭ったらどうするか」との質問を投げかけ、「一人で抱え込まず、大人や相談機関に相談して」と締めくくった。
授業を受けた舘石十蔵君は「自分も恋人ができたときは、このような対等な関係をつくろうと思う。大変勉強になった」と振り返った。
(学校 2016-06-30付)
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