札幌市有明小の伝統行事「崖の彫刻」　仲間と創る喜び味わう　裏山の火山灰斜面に作品制作

（学校 2016-06-30付）

１１０人が参加し、異学年の仲間と協力して活動

　札幌市立有明小学校（渡邊悟校長）は六月中旬、同校の裏山にある火山灰の斜面で伝統行事「崖の彫刻」を実施した＝写真＝。全校児童八十九人やＰＴＡ役員など合わせて約百十人が参加。異学年の仲間と協力しながら作品を創り上げ、ともに完成させた喜びを味わった。

　この取組は、「自然の雄大さを実感しながら、体全体の感覚や技能を働かせて造形活動を楽しむ」「異学年の仲間と協力しながら、彫るものを計画し、実行する」「最後までやり遂げる粘り強さを培う」の三点を目的に、昭和四十八年から毎年実施しているもの。

　四十四回目となる今回のテーマは「ハーモニータイム」。事前学習として楽器や音符など縦割班ごとに話し合って決めたモチーフをもとに、下絵を作成したほか、それぞれの役割分担を決めた。職員は子どもたちが作業しやすいように斜面へ階段状のくぼみを付け、崖上からロープを張るなど、万全の準備を整えた。

　この日、子どもたちはゴーグルにマスク、長袖・長ズボンという完全装備で作業を実施。くわやバールなどの道具を使って作品制作に挑戦した。

　一年生は「分からないことは聞きながら、できることを頑張る」、六年生は「作業の進み具合、安全確認など、全体をまとめる。より良い作品になるように、自ら進んで作業に取り組む」など、学年に応じた目標を設定しており、毎年行事に参加している高学年が低学年にアドバイスし、優しく見守るなどして、助け合いながら作品を完成させた。

　中村裕治教頭は「子どもたちは縦割班で役割分担をして、お互いに助け合いながら作品を完成させた。仲間と協力して一つの作品を完成させた達成感を大事にしてほしい」と述べた。

　また、今後も縦割班で様々な行事に取り組むことから、「今回、培った力を今後に生かしてほしい」と話していた。

(学校 2016-06-30付)