「飲酒運転根絶の日」決起大会開く 600人参加、強い思いを共有 安全で安心な社会実現へ
(道・道教委 2016-07-15付)

飲酒運転根絶の日決起大会・上
痛ましい飲酒運転事故が二度と繰り返されないよう決意を新たにした

 二十七年十二月の「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」施行後、初めての「飲酒運転根絶の日」を迎えた十三日、札幌市内の共済ホールで二十八年「飲酒運転根絶の日」決起大会が開かれた。交通安全運動に取り組む機関・団体などから約六百人が参加。「飲酒運転をしない、させない、許さない」という条例の基本理念を共有するとともに、痛ましい飲酒運転事故が二度と繰り返されることないよう決意を新たにした。

 道、道警、道教委、札幌市、道交通安全推進委員会などで構成する交通安全対策七者連絡会議が主催。

 二十六年七月十三日、小樽市で三人が死亡、一人が重傷という飲酒運転による悲惨なひき逃げ事件が発生した。さらに、二十七年六月、砂川市で飲酒運転による事故に巻き込まれ、一家五人が死傷する痛ましい事故が続発。こうした危機的状況を踏まえ、「飲酒運転をしない、させない、許さない」という規範意識をもち、社会全体で飲酒運転を根絶すべく、道民や事業者にそれぞれの責務を果たすことを求め、道民が安全で安心して暮らすことのできる社会を実現することを目的として、二十七年十一月、道飲酒運転の根絶に関する条例が制定、十二月に施行された。中で、「七月十三日を飲酒運転根絶の日とし、道および道民は、一体となって飲酒運転を根絶するための取組を行う」と定めた。

 十三日に行われた決起大会には、交通安全運動に取り組む機関・団体などから約六百人が参加した。

 開会に当たり、主催者を代表して、高橋はるみ知事、北村博文道警察本部長、道交通安全推進委員会の堰八義博会長があいさつ。高橋知事は「“飲酒運転をしない、させない、許さない”という強い思いを皆さんとあらためて共有し、全道に広げ、道内から飲酒運転を根絶する決意のもとに、行動していきたい」との方針を示し、「決起大会を節目に、一日も早く本道から飲酒運転が根絶され、道民の皆さんが安全で安心してくらすことができるよう、しっかりと取り組んでいく」と訴えた。

 北村本部長は、ことしの交通事故死者数について、七月十二日現在、六十六人で、昨年の同時期に比べ十三人減少し、うち、飲酒運転に伴う死者数は昨年同期より一人多い九人と、「飲酒運転による交通死亡事故が突出している状況にある」と指摘。「六~七月を飲酒運転根絶対策強化期間に設定し、違反や事故の分析結果に基づく取り締まりや、自治体、関係機関・団体との連携による広報啓発活動を重点に取り組んでいる」と説明した。

 また、高橋知事と北村本部長は、道職員や道警の警察官による飲酒運転が相次いだことについて、それぞれ陳謝した。

 堰八会長は「会員である道内市町村や関係機関・団体との連携を深めながら、飲酒運転の絶滅と交通事故防止を地域住民へ浸透させるため、道内各地域において、飲酒運転根絶キャラバンを実施するなど、具体的な取組を積極的に進めていく」との方針を示した。

 また、来賓を代表してあいさつに立った道議会の遠藤連議長は「一丸となって飲酒運転根絶に全力で取り組むことを決意し、その取組を大きな道民運動として広げていくことが重要」と述べ、道議会として、「各議員がそれぞれの地域で飲酒運転の根絶に向けた活動を積極的に行うなど、飲酒運転の根絶に向け全道を挙げた取組を推進していく」との考えを示した。

 大会では、愛媛大学法文学部の小佐井良太准教授が「飲酒運転死傷ゼロの実現に向けて」と題し、基調講演。「〝飲酒運転問題に第三者はいない〟ことを理解して、問題を〝他人事〟にせず、モラル涵養と正しい知識の普及など、みんなで〝半歩〟踏み込んだ勇気と関心、責任をもち合うことこそが必要」と強調。「道条例の活用・整備を土台として取組を続けることで、“飲酒運転をしない、させない、許さない”社会は実現できる」と呼びかけた。

 事例発表に続いて、「交通ルールを順守し、飲酒運転をしない」「飲酒運転を行うおそれのある人に対し、車両や酒類は提供しない」「飲酒の場には車で行かない、行かせない」など、七項目からなる「飲酒運転根絶道民宣言」を採択し、参加者全員で飲酒運転の根絶を誓った。

 大会終了後、参加者は、共済ホール周辺の国道五号線・石狩街道(創成川通)などの街頭に立ち、交通安全旗を振って、道行くドライバーに飲酒運転根絶を呼びかけるセーフティコールを行った。

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飲酒運転根絶の日決起大会・下
大会終了後、国道沿いでセーフティコールを行った

(道・道教委 2016-07-15付)

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