札幌市教委が学校経営全体研修会を開催　経営力向上目指し研鑚　２日間にわたり講義、講演等

（市町村 2016-08-04付）

初日は幼稚園長、校長、副校長が参加

　札幌市教委は二日から二日間、市内のちえりあで二十八年度学校経営全体研修会を開催した＝写真＝。初日は全市立幼稚園長・学校長、副校長が出席。学校経営力向上に向け、講義や講演を通して研鑚を積んだ。

　冒頭、長岡豊彦教育長があいさつ。管理職の資質について、組織経営力・人材育成力・ビジョン形成力・判断力・調整力の五点を挙げ、「人を育てながら組織運営を進めてほしい」と呼びかけた。

　命を大切にする指導の充実については、児童生徒が教諭や保護者、友達など誰にでも相談できるように育むことを求めた。特に夏休み明けは、学校生活に悩みを抱える児童生徒が不安定な精神状態となる傾向が多いことから、「新学期には教職員が一丸となって組織的に対応してほしい」と呼びかけた。

　また、夢をもつことの重要性を強調。「夢をもつ子どもは挑戦し、失敗しても再度チャレンジしてその過程の中で成長する。子どもたちの成長を促せるよう取り組んでほしい」と話した。

　このあと、引地秀美学校教育部長が札幌市の教育課題について、和田悦明児童生徒担当部長が豊かな心の育成について、檜田英樹教職員担当部長が教職員の人事・服務について、それぞれ講義。また、文部科学省初等中等教育局の長尾篤志視学官が学校経営における今日的教育課題について講演した。

　午後からは、国士舘大学体育学部こどもスポーツ教育学科の北神正行教授が学校組織マネジメントについて講演した。

　北神教授は、授業や学級経営について、担当する教員の専門性と裁量に委ねられているとし、課題として教員の孤立化や知識の形成・共有の制約などがあることを紹介。学校教育目標の達成に向け、分業・協業しながら質の高い教育を提供する組織マネジメントの稼働が求められていることを説明した。

　また、求められるリーダーシップについては、学校の進むべき方向を設定し、組織を通して目標を達成する役割・機能などが必要と説明。マネジメントスキルとしては、自ら思考する力やビジョンを創り出す力、挑戦する精神など、五点を挙げた。

　このあと、校種別に分かれて分科会を実施。学校の組織力向上に向けて何が必要か、カリキュラムマネジメント・スタッフマネジメント・学校マネジメントの三点に着目した取組について協議した。

(市町村 2016-08-04付)