札幌市教委スクールカウンセラーの相談件数　２７年度は３万９４１４件　２６年度より２０１１件増加

（市町村 2016-08-09付）

　札幌市教委は、二十七年度スクールカウンセラー事業における相談件数をまとめた。昨年度は九十九人のカウンセラーが小・中学校、高校、特別支援学校で計三万九千四百十四件の相談を行っており、二十六年度よりも二千十一件増加。小・中学校では約一千件の増、高校は微減、特別支援学校は微増となっている。

　同事業は、すべての市立学校にスクールカウンセラーを配置し、児童生徒や保護者、教職員などの相談を受け付けるもの。二十七年度は一年間の配置時間について、小学校は各校五十四時間から五十七時間に、特別支援学校は四校で二百八十時間から四百二十時間に引き上げるなど、より相談を受けられるよう体制を強化。中学校・高校は引き続き各校二百八十時間で実施してきた。

　また、教師や保護者向けの研修や、児童生徒にストレスマネジメントのための授業を行うなど、未然防止の取組も行っている。

　二十七年度におけるスクールカウンセラーの相談件数をみると、小学校では九百九十六件増の一万九百四十九件、中学校は九百九十件増の二万五千七百四十四件、高校は二十五件減の二千八十四件、特別支援学校は五十件増の五百八十七件となった。

　小学校では学習や不登校、中学校では友人関係や不登校の相談が多かった。高校では自傷行為や精神疾患、特別支援学校では家庭にかかわる相談もあった。

　市教委は、二十七年度に実施した悩みやいじめに関するアンケート調査で、小学生の八％、中学生・高校生の一七％が悩みを誰にも相談しないと回答していることから、「児童生徒が気軽に相談できるよう、今後もスクールカウンセラーとともに働きかけていきたい」と話している。

(市町村 2016-08-09付)