道議会文教委（２８年８月２日）　知事・教育長連名で要請　学校施設の耐震対策で道教委

（道議会 2016-08-04付）

　二日の道議会文教委員会では、文部科学省が公表した公立学校施設の耐震改修状況調査結果に基づき、質疑が行われた。杉本昭則教育部長は、早期の耐震対策の完了が見通せない場合、市町村に「知事と教育長との連名による要請を行う中で、耐震の前倒しなどを働きかける」などと答弁した。

　道教委の説明によると、小・中学校の校舎等耐震化率が七〇％未満の十一市町で、三十八校の耐震化が完了していない。廃校などで校舎が未使用となる十一校を除く二十七校の改修計画は、本年度中の耐震化完了が二市六校、二十九年度中の完了が五市町七校、三十年度中の完了が四市町四校。残る五市町十校のうち、四市町五校は、「学校の統廃合の検討などによって、耐震化の完了が見通せない状況」となっている。

　Ｉｓ値（耐震指標）〇・三未満の棟を有する小・中学校は二十二市町四十校。廃校などによって校舎が未使用となる六校を除く三十四校の計画は、本年度中の完了が七市町十一校、二十九年度中の完了が六市町七校、三十年度中の完了が四市町四校。残る七市町十二校のうち、四市町六校は、「学校の統廃合の検討などによって、耐震化の改修が見通せない状況」という。

　小・中学校の屋内運動場等における吊り天井などの落下防止対策は、二十八市町五十八棟で未実施。それらの対策の年次計画は、本年度中の完了が十七市町二十九棟、二十九年度中の完了が十一市町十七棟、三十年度中の完了が三町四棟。残りの六市町八棟のうち、四市町五棟は、「学校や他の公共施設の耐震化事業を優先して行う計画であることから、落下防止対策の実施はいまだ定まっていない」。

　これらの状況を踏まえ、杉本教育部長は「三十二年度まで延長された国庫補助率の嵩上げ措置を活用した、市町村の今後五年間の校舎等の耐震化計画や、吊り天井などの落下防止対策の計画を把握した上で、早期の耐震対策の完了が見通せない場合には、知事と教育長との連名による要請を行う中で、耐震の前倒しなどを働きかける」と答弁。併せて、「将来を見据えた計画的な整備が着実に実施できるよう、今後、必要な財源措置について国へ要望するなど、可能な限り速やかに学校施設の耐震対策が完了するよう、なお一層、積極的に取り組んでいく」との考えを示した。

　加藤貴弘委員（自民党・道民会議）の質問に答えた。

(道議会 2016-08-04付)