道議会文教委の質問・答弁概要(28年6月20日)(道議会 2016-08-09付)
道議会文教委員会(六月二十日開催)における丸岩浩二委員(自民党・道民会議)の質問、および杉本昭則教育部長、梶浦仁学校教育監、磯貝隆之学校教育局特別支援教育担当局長、土井寿彦新しい高校づくり推進室長、山本純史特別支援教育課長、松本邦由新しい高校づくり推進室参事(高校配置)、相馬哲也新しい高校づくり推進室参事(改革推進)の答弁の概要はつぎのとおり。
◆高校配置計画案について
丸岩委員 前回の委員会で、二十九年度から三十一年度までの高校配置計画案が報告された。その中で今回、新たに計画を策定することとなる三十一年度は、道内で七百人を超える中卒者の減少が見込まれており、都市部を中心とした学級減、また函館市で再編整備を行うことなどが示されている。
今後も、中卒者数の減少が見込まれる中、学級減や再編整備を行っていかなければならない状況であることは理解するが、高校配置計画は、生徒や保護者だけではなく、地域にも大きな影響を与えることから、検討に当たっては、地域関係者の意見を十分に聞くなど、慎重に進める必要があると考える。
そこで、今回公表された計画案について、数点伺っていく。
配置計画の検討に当たっては、全道十九の通学区域ごとに地域別検討協議会が開催されている。学校を選択する子どもをもつ保護者をはじめ、より多くの方の意見を聞くことが大切と考えるが、この協議会に関し、道教委は昨年度、私の質問に対して、「より多くの方に出席いただき、意見を伺うことができるよう、より参加しやすい時間帯に開催するなど、協議会の開催方法の改善に努める」と答弁いただいた。本年度、どのような改革を行ったのか伺う。
松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 地域別検討協議会について。高校配置計画の策定に当たっては、地域の様々な立場の方から意見を伺うことや、保護者や学校関係者に早い段階から高校の配置について理解いただくことが重要であると考え、本年度は、新たに小学校の校長やPTA関係者にも参加いただいた。
また、昨年度の協議会において、PTA関係者からいただいた、「仕事の都合で土曜日や夜間開催の方が参加しやすい」などといった意見を踏まえ、後志学区、宗谷学区、十勝学区では土曜日に、また、胆振西学区では夜間に開催した。
こうした取組によって、参加者からは、土曜日開催になり、PTAが参加しやすくなった、小学校関係者も高校配置計画について考えるよい機会となったなどの意見があった一方で、学校関係者からは土曜日開催や夜間開催については、地域の行事や諸会議と重なることなどから、再考を求める意見をいただいており、今後とも、より多くの方々に出席いただけるよう、参加者の意見を参考にするとともに、学区の広さや交通事情なども十分考慮して、開催日時や場所の見直しなど、協議会の開催方法の工夫改善に努めていく考えである。
丸岩委員 さらに参加率が向上するよう尽力いただきたい。
職業学科について伺う。今回、新たに学級減が示された六校のうち、二校は工業高校と商業高校である。学級減の対象となる学科については、いずれも検討中となっているが、検討に当たっては、地域産業などへの影響も考慮する必要が十分にあると考える。今後、どのように検討していくのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 職業学科の学級減について。職業学科を有する専門高校では、本道産業の発展に寄与する有為な人材を育成するため、時代の変化に対応し、専門的な教育を行ってきており、地域産業の担い手育成にも重要な役割を果たしている。
しかしながら、今後も中学校卒業者数の減少が見込まれる中、専門高校を含めた高校の定員調整や再編は避けて通れないものと考えており、このたびの配置計画案において、室蘭工業高校と北見商業高校については、欠員の状況や学校・学科の配置状況、生徒の進路動向などを勘案し、学級減することを示した。
学級減を行う両校の学科については、これまで、両校が行ってきた職業教育の内容や生徒の学習ニーズ、地域産業との関連などを総合的に勘案するとともに、今後、地域の方々などの意見を伺いながら、可能な限り早期に示すことができるよう検討を進めていく考えである。
丸岩委員 「高校教育に関する指針」について伺う。指針では、地域キャンパス校について、五月一日現在の第一学年の在籍者が二十人未満となり、その後も生徒数の増加が見込まれない場合は、再編整備を進めることとされている。
道教委は、ことし三月の第一回定例会でのわが会派の代表質問に対し、再編基準の緩和に向けた新たな人数要件について、「他の学校の再編基準等も勘案しながら、〝高校教育に関する指針〟に基づく施策の成果と課題の検証と併せて、引き続き検討する」、また、「検討期間中における地域キャンパス校の新たな再編整備については行わない」と答弁した。
本年度は、地域キャンパス校十九校のうち六校で在籍者が二十人未満となり、うち三校は二年連続の状況にあると承知している。今後十年以内には、約半数の地域キャンパス校で恒常的に二十人未満となるのではないかと懸念されている中、地域キャンパス校が所在する地域では、強い危機感をもちながらも、今回の道教委の検討に期待を寄せる声も聞かれている。
そこで、再編基準の緩和も含め、指針の検証についての現在の検討状況を伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 高校教育に関する指針の検証状況について。現在、庁内に設置している高校教育検討委員会において、高校教育に関する指針に基づく、教育内容の改善・充実の状況や、新しいタイプの高校づくり、高校配置などの各種取組の進ちょく状況を把握・分析するなどして、成果や課題についての検討を進めている。
この中で、これまで設置・導入してきた総合学科や普通科単位制、中高一貫教育校といった新しいタイプの高校や地域キャンパス校の生徒、保護者、校長のほか、関係する教育委員会に対して、こうした高校についての意識や意見を把握するためのアンケート調査を実施している。
今後は、アンケート結果を集約するとともに、市町村や関係団体、有識者などから意見を伺いながら、さらに検討を進め、ことし九月を目途に、指針に基づく施策の検証結果を取りまとめていく考えである。
丸岩委員 都市部での再編について伺う。今回の配置計画案では、三十一年度に函館市内で再編を行うことが示された。
そこで、函館市内で今回再編を行うこととした経緯および使用校舎を函館西高校とした理由について伺う。
松本新しい高校づくり推進室参事(高校配置) 函館市での再編について。函館市においては、すでに三学級以下の高校があることや、今後も市内の中学校卒業者数の減少傾向が続くことなどから、これまでも配置計画の「見通し」の中で、市内で再編の検討が必要なことを示してきた。
こうした中、函館市では「函館の高校教育のあり方検討協議会」を設置し、市全体の高校教育の中・長期的な展望に関する検討を行っており、ことし四月に函館西高校と函館稜北高校の再編について要望をいただいた。
道教委としては、函館市からの要望の趣旨を踏まえるとともに、渡島学区では、今後も中学校卒業者数の減少が見込まれる中、一定の学校規模を維持し幅広い教育課程の編成・実施を図る観点から、両校を再編することとし、新設校として使用する校舎については、通学の利便性や、函館市からの要望などを勘案し、函館西高とした。
丸岩委員 今回の再編は、近年、札幌市内や旭川市内で行われた、いわゆる生徒急増期に設置した高校同士の再編統合とは異なる。百十年余りの歴史をもつ函館西高と生徒急増期に設置した函館稜北高の再編統合である。今後、市民は新しく設置される高校がどのような高校になるかということに大変大きな関心をもっていると思われる。再編に当たっては、これまでの両校の取組を踏まえ検討を進めることが大変重要であると考える。
そこで、今回、検討中としている学科名や新設校の学校名について、今後、どのように検討を進めるのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 函館市内の新設校について。函館市からは、再編後の新設校について、「これまで両校が取り組んできた〝キャリア教育〟や〝アクティブ・ラーニング〟など、それぞれの特色を継承するとともに、魅力的な教育課程を創造すること」との要望をいただいている。
道教委としては、こうした函館市の要望や、今後設置する両校による統合委員会における学校教育目標などの検討状況を踏まえるとともに、地域別検討協議会はもとより、地元経済団体や校長会等の意見も参考にしながら、新設校の学科について検討していく考えである。
また、校名については、統合委員会において、地元の意見なども伺いながら、検討することとしており、再編の前年度には、新設校の校名を決定する予定である。
丸岩委員 小樽市内における新設校について伺う。三十年度に小樽市内に新設される高校には、商業科に流通マネジメント科、情報会計マネジメント科、工業科には機械電気システム科、建設システム科の四学科が設置され、単位制を導入することになったが、どのような検討を経て決定したのか、また、それぞれどのようなことを学ぶ学科なのか伺う。
相馬新しい高校づくり推進室参事(改革推進) 小樽市内の新設校について。小樽市からは、「観光やものづくりなどの産業構造等を踏まえ、観光ビジネス、ものづくりなどを学ぶことのできる、小樽にふさわしい魅力ある高校」の設置を求める要望をいただいており、道教委としては、こうした要望を踏まえるとともに、地域の実情や通学区域内の学校・学科の配置状況、両校がこれまで取り組んできた職業教育の内容などを考慮するほか、地元商工会議所など経済団体等から意見を伺いながら、両校の校長とも協議を進め、学科案を決定した。
新たに設置する学科については、商業に関する学科の、流通マネジメント科は、流通、販売や観光等にかかわるマーケティング、情報会計マネジメント科は、情報処理や情報を活用した簿記会計、また、工業に関する学科の機械電気システム科は、機械、電気に関する技術や情報の活用、建設システム科は、建築、土木に関する技術や環境の保全などについて学ぶこととしており、具体的な学習内容等については、今後、両校による統合委員会において検討を進めることとしている。
なお、新設校においては、各学科ごとの専門科目のほか、普通教科における学校設定科目など多様な教科・科目を開設することによって、生徒の興味・関心、進路希望等に応じて、主体的な学習が可能となるよう、単位制を導入することとした。
―指摘―
丸岩委員 新たに設置する学科の中で、小樽の新設校には、建築、土木に関する技術や環境の保全について学ぶことができる建設システム科を設置するという答弁をいただいた。現在、道内の建設業を取り巻く経営状況は、競争の激化、厳しい状態が引き続いている。
さらに、拍車をかけるように、東日本大震災からの復興、これから開催される東京オリンピック・パラリンピックなどによる本州方面の建設需要の高まりを考えると、技術者・技能者の確保はますます困難になると予測される。
こうした中、北海道新幹線の延伸などによって、北海道の建設業における担い手の確保、育成が、大変重要な課題となってくる。とりわけ、中堅の技術者を育成する工業高校の建築科、土木科の役割は、大変大きくなっていくと思われる。
社会資本の整備を担い、地域経済・地域社会を支える建設業が安定的に継続するためには、小樽の新設校をはじめ、道内の工業高校において指導の充実を図り、あすの本道の建設業を支える人材の育成に取り組んでいくよう指摘する。
丸岩委員 今後の再編整備について伺う。今回の計画案では、三十二年度以降の見通しとして、いくつかの学区で同一市内あるいは同一町内での再編を検討する必要性が示されている。
再編は、生徒の進路選択の面からも非常に影響が大きいことから、地域事情もしっかりと考慮しながら進めることが大切と考える。今後の再編整備について、どのように進めていくのか伺う。
土井新しい高校づくり推進室長 今後の再編について。中学校卒業者数が減少する中で、将来的に望ましい学校規模の維持が困難と見込まれる場合には、再編の検討を行っているが、検討に当たっては、地域の実情や教育的観点からの望ましい学校規模の考え方などを丁寧に説明するとともに、地域の方々から意見を伺うことが何よりも大切と考えている。
こうしたことから、再編整備を進めるに当たっては、地域において高校の在り方を検討いただくことが望ましいと考えており、これまでも、地元自治体に対して、このような取組が進むよう働きかけるとともに、検討の場に参加するなどしている。
道教委としては、今後とも、高校が果たしている役割など、それぞれの地域の実情等を十分考慮するとともに、地域別検討協議会はもとより、様々な機会を通じて、保護者や地域の方々の意見を十分伺いながら検討していく考えである。
丸岩委員 今後の高校配置について伺う。三十二、三十三年度は、それぞれ一千五百人を超える中卒者の減が見込まれる状況となっており、今回の計画案では、例えば、石狩学区では三十二年度以降に十三~十四学級の定員調整を検討する必要性があるとの見通しが示されている。
大幅な中卒者の減に対して、道教委は、今後の高校配置をどのように進めるのか、考え方を伺う。
杉本教育部長 今後の高校配置について。中学校卒業者数の大幅な減少が見込まれる中、道教委では、高校の教育水準の維持向上を図り、活力ある教育活動を展開する観点から、高校の配置を検討してきているが、地域からは、高校の配置は、教育や文化だけではなく、地域の経済や産業などにも影響を及ぼすといった意見をいただいている。
道教委としては、人口減少社会を迎える中、地域の教育機能を維持・向上させることは極めて重要な課題と認識しており、また、高校はそれぞれの地域の実情に応じて適切にその役割を発揮していくことが大切であると考え、これまでも地域ごとの特性や実情を考慮しながら検討してきた。
今後においても、高校の配置が地域に与える影響、高校に対する地域の期待や取組などを十分考慮するとともに、地域の発展に主体的に貢献できる人材を育成する観点に立って、魅力ある学校づくりなど、適切な高校配置に努めていく考えである。
◆特別支援学校配置計画案
丸岩委員 今回の配置計画案では、「中学校卒業者数の減少に対して、知的障がい特別支援学校高等部への進学者数が増加しており、今後も増加が続く見込み」と示されている。進学者数がさらに増加すると見込む根拠について伺う。
また、少子化が進行する中にあって、この増加傾向がいつまで続くと見込んでいるのか、併せて伺う。
山本特別支援教育課長 知的障がい特別支援学校高等部への進学者数について。配置計画における学級や定員の設定に当たっては、知的障がい特別支援学校、および小・中学校の知的障がい特別支援学級、自閉症・情緒障がい特別支援学級等の在籍者数を基礎として、進学希望者数を推計しており、今後の状況として、小中学校特別支援学級の在籍者数が、学年が下がるに従い増加する傾向にあることから、引き続き、進学希望者数が増加するものと考えている。
さらに、増加傾向の将来的な見通しとしては、現在の小学校一年生が高等部に進学する年度までは、増加が続く可能性があると考えている。
丸岩委員 全道の高等支援学校の配置見通しをみると、二十九年度に九学級の増、三十年度は一学級相当の間口確保を検討、三十一年度は七間口程度の間口確保を検討となっている。
年度によって、整備する間口数に変動が生じる状況がみられるが、このような状況になる理由について伺う。
山本特別支援教育課長 高等支援学校の間口整備について。配置計画における定員等の設定に当たっては、圏域ごとに、翌年度以降の進学希望者数を推計した上で、必要に応じて、学級の増減や学校の新設を行うこととしている。
このため、配置計画で示す年度において、定員と進学希望者数に開きがある場合は学級数に増減が生じ、一方、開きがない場合は増減が生じないこととなり、このような定員の充足状況により、年度によって、整備する学級数に変動がみられることとなる。
丸岩委員 高等支援学校について、道内で最も多くの間口が整備されている道央圏では、二十九年度に九学級を整備をしたあと、三十年度から三十一年度にかけて、一学級相当の確保を検討するという計画である。
一方、道南圏や釧根圏では、三十一年度に一定程度の間口確保を必要とする状況がみられ、この内容からは、道央圏における整備状況が一定程度充足したとも受け取ることができる。
これに関して、道央圏については、「注記」という方法で、数年後に対応が必要となる旨示されている。
具体的に、どのような見通しをもっているのか伺う。
山本特別支援教育課長 道央圏における配置の見通しについて。道央圏では、二十九年度に九学級を整備することで、全体で七十一学級となり、現在の中学校特別支援学級一、二年生の在籍者数をみると、三十年度と三十一年度については、既存校において、受入体制が確保できるものと考えている。
一方、現在の、小学校特別支援学級の在籍者数をみると、今回、配置の見通しとして示した以降、進学希望者数が一定程度増加することが見込まれ、このため、今回の配置計画案に、「さらに数年後、既存施設等の活用による対応を検討する必要がある」と注記した。
丸岩委員 江別市内の状況について伺う。二十七年第一回定例会において、「江別市への道立高等養護学校誘致期成会」から提出された、「札幌盲学校跡地を活用した江別市への高等養護学校設置」の請願が採択されている。
この請願には、四万筆を超える署名が添付されており、地域住民の熱い思いの表れであると思われるが、この請願が採択されていることについて、道教委としての受け止め方を伺う。
磯貝学校教育局特別支援教育担当局長 請願の採択について。「札幌盲学校跡地を活用した江別市への高等養護学校設置」の請願については、できる限り身近な地域で、障がいに応じた職業教育やきめ細かな進路指導、専門教育を受けたい、受けさせたいという本人や保護者の切実な思いを受け、江別市への道立高等養護学校誘致期成会から、道議会に提出されたものと認識している。
この請願が採択されたことは、願意妥当として、道議会の意思が示されたものであり、道教委として、大変重く受け止めている。
丸岩委員 現在、江別市においては、すべての市民が生涯を通じて地域で生き生きと自立した生活を送ることができるよう、国の「生涯活躍のまち」構想を踏まえ、江別版の「生涯活躍のまち構想」の導入を検討していると承知している。
この構想においては、高齢者、子ども、若者、障がい者など、多世代、多様な主体が交流しながら、健康で、さらにアクティブに、快適な生活ができるような地域づくりを目指す中、特別支援学校の誘致計画と有機的に誘導させることで、定住、雇用、人材育成、そして、地域の交流のさらなる相乗効果を図ることとしており、特別支援学校の配置は重要なものと考えられる。
こうした構想について、道教委として、どのように捉えているのか伺う。
磯貝学校教育局特別支援教育担当局長 江別市の取組と特別支援学校の位置付けについて。江別市が導入を検討している「生涯活躍のまち」構想は、健康づくりや社会活動、生涯学習活動等に積極的に参加する「元気な高齢者」を増やし、多世代や多様な主体が交流しながら、すべての市民が、生涯を通じて、地域で生き生きと自立した生活を送ることを目指すものと承知している。
この構想においては、まちづくりの中で、特別支援学校を有機的に連動させることによって、定住、雇用、人材育成、地域交流のさらなる相乗効果を図る考えも示されているものと認識している。
道教委としては、こうした構想の中に、特別支援学校が位置付けられることは、地域社会とのかかわり合いや、現場実習や雇用の場の確保といった観点から大変意義深いものと考えており、江別市における構想の策定過程において、地域における特別支援学校の役割や連携の在り方等について意見を述べるなど、知事部局とも連携しながら協力していく考えである。
―要望―
丸岩委員 答弁は、江別市の構想、また、取組を高く評価し、学校の在り方や方向性について、前向きな考え方を示したものと受け止めた。
江別市の構想が、高齢者や障がい者がその地域において、今後、共生社会を形づくる新たなモデルになるものとも考えている。
地域の熱心な取組に対して、今後、道教委もぜひ、協力をいただきたい。
丸岩委員 高等支援学校が、障がいのある生徒の自立や社会参加に向けた教育活動を展開していくためには、在校生の実習先や卒業生の就労先の確保が大変重要なものと認識している。
そのためには、学校を設置する地域の支援が欠かせないものとも考える。高等支援学校の整備に当たり、各圏域における進学希望者数の状況を判断材料とすることも当然必要であるが、地域の取組や支援体制などもしっかりと考慮をしながら検討する必要があると考える。
こうした地域の在り方と高等支援学校の整備について、道教委の考え方、今後の取組を伺う。
梶浦学校教育監 地域の在り方と高等支援学校の整備の考え方について。高等支援学校の整備に当たっては、できるだけ身近な地域において、専門的な教育を受ける機会を確保するという観点に立ち、必要な受入体制の整備を図ってきており、各圏域ごとに、特別支援学校中学部、中学校特別支援学級等の卒業予定者のうち、進学を希望する者の状況に応じて、学級および定員を設定している。
一方、開校した高等支援学校においては、職業教育の推進や、生徒の自立・社会参加に向け、実習先や就労先を確保することが大きな課題であり、こうした課題に対応するためには、学校の取組はもとより、地元市町村による支援などが、大変重要と考えている。
道教委としては、今後、高等支援学校の整備に当たり、公共交通機関による通学の利便性などの観点のほか、各圏域内の特別支援学校の配置状況や、活用可能な空き校舎などの既存施設の状況、地域における就労に結びつくような実習先の確保など地域の方々の学校への支援の在り方も総合的に勘案しながら検討していく考えである。
(道議会 2016-08-09付)
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