小中連携・一貫教育推進研修会 地域が目指す教育模索 500人が発表等通し研鑚―旭川市教委
(市町村 2016-08-10付)

旭川市小中連携一貫教育研修会
先進地の取組を参考に、学校・家庭・地域の連携強化を図った

 【旭川発】旭川市教委は二日、市大雪クリスタルホールで二十八年度小中連携・一貫教育推進研修会を開催した=写真=。各学校の小中連携担当者を対象とする第一部コーディネーター研修会と、PTAや地域住民を対象とする第二部シンポジウムを実施。合わせて約五百人が参加し、文部科学省委託事業のモデル校として取り組んでいる市立旭川中学校ブロックや、先進地の姫路市教委の実践発表などを通し、旭川市らしい小中連携・一貫教育の在り方を考えた。

 市では、昨年五月に小中連携・一貫教育に関する基本的な考え方を策定した。それに基づいて市内各中学校区で小中連携の取組を推進。このほか、五月に市内の全小・中学生を対象に、小中連携・一貫教育に関するアンケート調査を行った。

 また、前年度に文科省委託事業として旭川小学校と旭川中学校をモデル校に指定。小・中同一の研修テーマの設定や、九年間を見通したキャリア教育の年間指導計画等の作成、乗り入れ授業などに取り組んできた。

 研修会は、市の取組状況を小中連携担当者で共有し、各中学校区の特長等を考察。加えて、先進地の取組を参考に、学校・家庭・地域の連携強化を目的としている。

 第一部の冒頭、田澤清一学校教育部長があいさつしたあと、市教委の櫛部治彦教育政策課長補佐、小中連携コーディネーターの吉(※土に口)﨑隆氏と佐藤保氏が市の取組状況を説明した。

 続いて、旭川小の今勝俊教諭と旭川中の北原康弘教諭がモデル校としての取組を発表した。小学六年音楽の授業に中学校教諭、中学一年書写の授業で市教委から兼務発令を受けた小学校教諭が指導する乗り入れ授業の様子などを紹介した。

 このあと、姫路市教委学校指導課の太田太小中一貫教育推進係長が発表した。姫路市では小中一貫教育標準カリキュラムを策定し、それに沿った取組を各中学校区で展開するとともに、モデルブロックとして二地区を指定。授業交流がしやすいよう授業時間帯を小・中で合わせていること、共通したノート指導、地域住民に見守られながら児童生徒が一緒に下校するふれあいウォークなどの取組を紹介した。

 また、年三~四回の小中一貫教育担当者による会議や、各中学校ブロックでの夏季研修の開催、十一月一~十五日の間を小中一貫教育推進期間として定め、市民に取組を周知していることなどを報告した。

 取組の成果として、市内の児童生徒の問題行動が二十一年度に比べ二~三割減少したことや、中一ギャップによる不登校が減少傾向にあること、児童生徒の自己肯定感が上昇傾向にあることなどを指摘。一方で、小中一貫教育を推進する目的意識を教職員に浸透させた上で、発信することを課題に挙げていた。

 姫路市の取組発表後、参加者は各中学校区でアンケート調査結果を分析し、それぞれの校区の特長を考察。九年間をつなげるために必要な取組を考えた。

(市町村 2016-08-10付)

その他の記事( 市町村)

旭川市中学校連盟と旭川市教委が初の生活・学習Actサミット 取組ガイドラインを採択 生徒が生活習慣等改善へ意見交換

生活・学習Actサミット  【旭川発】旭川市中学校連盟(北文明会長)と旭川市教委は七月下旬、市立旭川第二中学校(内村昌弘校長)で本年度から初の取組として、「生活・学習Actサミット」を開いた。市内各中学校から生徒会役...

(2016-08-16)  全て読む

小・中の特別支援学級等設置状況―札幌市教委 29学級増の582学級 在籍者は2570人に増加

 札幌市教委は、市立小・中学校における本年度の特別支援学級等の設置状況をまとめた。学級数は、小学校三百九十四学級、中学校百八十八学級の計五百八十二学級で、前年度比二十九学級の増。市教委では個...

(2016-08-16)  全て読む

中高生9人が韓国から帰国 言葉の壁越え、友達に 副市長に交流の成果報告―札幌市

札幌市姉妹都市少年交流事業報告会  札幌市は八日、市長会議室で二十八年度姉妹都市少年交流事業帰国報告会を開いた。姉妹都市の韓国・大田広域市に派遣された市内の中高生九人が出席。板垣昭彦副市長に、現地での交流体験を通して見聞を広...

(2016-08-16)  全て読む

札幌市教委 札幌市立高校教育改革素案 29~39年度で新たな専門学科など検討 第1期で4学級程度削減も  

 札幌市教委は、二十九年度から三十九年度までの市立高校の今後十年間程度の基本的な方向性の素案を打ち出した。九日に開かれた第四回市立高校教育改革方針検討会議で示したもの。二十九~三十三年度まで...

(2016-08-12)  全て読む

札幌市教委 図書館モデル公開授業の研究実践校 2学期から学習活動開始 図書館の活用方法等を学ぶ

 札幌市教委の二十八年度図書館モデル公開授業研究実践校事業では、二学期から研究実践校の三校が調べ学習など学習活動を行う。澄川南小学校と北の沢小学校、上白石小学校の三校が中央図書館を訪問。読み...

(2016-08-12)  全て読む

旭川市小中連携・一環教育推進研修会 学校・家庭・地域の役割考える パネルディスカッション実施

小中連携一貫教育研修会・シンポジウム  二十八年度小中連携・一環教育推進研修会(二日、旭川市大雪クリスタルホール)第二部のシンポジウムでは、「旭川市が目指す小中連携・一貫教育について~学校・家庭・地域の役割を考える」をテーマに、...

(2016-08-10)  全て読む

外国語活動推進へ中核教員研修 英語指導力向上へ講義等 79人が3日にわたり研鑚―札幌市教委

外国語教員研修  札幌市教委は八日から三日間、市内のちえりあで二十八年度札幌市小学校外国語活動推進中核教員養成研修を開催した=写真=。市立小学校で外国語活動推進を担う教員七十九人が参加。英語指導力向上に向け...

(2016-08-10)  全て読む

札幌市西区が親子料理教室 地産地消の大切さ学ぶ スープカレー店オーナーが講師に

西区親子料理教室  札幌市西区は三日、スープカレー店「札幌らっきょ」オーナーのイデ・ゴウ氏による親子料理教室「キッズ・シェフ」を開催した。区内在住の小学三~六年生とその保護者七組十四人が参加。自分たちで収穫し...

(2016-08-10)  全て読む

OBIHIROサマーイングリッシュ 楽しく英語を学ぼう! 小学校4校で外国語活動―帯広市教委

OBIHIROサマーイングリッシュ  【帯広発】帯広市教委は七月下旬、市内の小学校四校で「OBIHIROサマーイングリッシュ」を実施した。市教委のALTが講師を担当。英語でのあいさつや自己紹介、カードゲームなどの様々な外国語活...

(2016-08-10)  全て読む

第5次登別市社会教育中期計画案―28~32年度 学習環境整備など5本柱に 30日までパブコメ募集

 【室蘭発】登別市教委は、二十八~三十二年度までを計画期間とする「第五次登別市社会教育中期計画案」をまとめた。生涯学習社会の構築に向け、市の社会教育を推進するための基本的・総合的な計画となる...

(2016-08-09)  全て読む