演劇はまちづくりに有効　札幌開成高生６人が世界冬の都市市長会議で提言

（学校 2016-08-16付）

地域の課題を演劇として発表した体験をもとに提言した

　七月下旬に札幌市で開催された「世界冬の都市市長会議」三日目に、札幌の高校生が考えるまちづくりとして札幌開成高校（石黒清裕校長）の三年生六人が提言を行った。実際に地域の課題を演劇として発表した経験をもとに、まちづくりにおける演劇の有効性を主張した＝写真＝。

　文部科学省からスーパーグローバルハイスクール（＝ＳＧＨ）の指定を受け、世界を視野に入れて行動できる国際的な人材の育成を目指している同校。同会議で札幌の魅力や課題を提言にまとめて発表することを目標に、コアメンバーの三年生三十人が市のまちづくりについて課題研究を進めてきた。

　今回は、市の芸術を取り巻く環境に着目し、演劇をまちづくりに生かせないかと考えた六人の生徒が、世界三十二ヵ国の積雪寒冷都市の代表者を前にプレゼンテーションした。

　生徒は、演劇を「コミュニケーションに特化し、行うたびに違うものを生み出すことができる市民のアート」と位置付けるとともに、札幌が演劇を行うのに恵まれた地であることを強調した。

　その上で、地域課題の特殊詐欺をテーマに演劇を発表した経験や、琴似で行われている住民参加型の「温故知新音楽劇」における成功例を紹介。アンケートも活用して導き出した二つの検証結果から、「札幌のまちづくりにおいて演劇は有効である」との結論を示した。

　併せて、琴似での例を踏まえ、まちづくりに対する意識を高めるために札幌の課題をテーマとする市民劇を実施することも提案した。

　同校では、「数ヵ国の代表者からポジティブなコメントをいただいたほか、秋元克弘市長から、札幌のことを考えてくれる頼もしい若者が出てきて喜ばしいとの言葉をいただいた」と話していた。

(学校 2016-08-16付)