道学校教育相談研究大会開く　違い認め共に生きる子育成　１８０人が講演や研修講座で研鑚

（関係団体 2016-08-18付）

新研究主題設定後、初の研究大会

　道学校教育相談研究会（＝道相研、南博会長）は八・九日、ホテル札幌サンプラザで第四十五回道学校教育相談研究大会札幌大会を開いた＝写真＝。新研究主題「自己をみつめ、〝違い〟を認めて、共に生きる子を育てる学校教育相談～しなやかに生きる人間関係の醸成・コミュニケーション能力の育成」の設定後、初の研究大会。約百八十人が参加し、講演や研修講座を通して、研鑚を積んだ。

　初日の開会式では、南会長があいさつ。

　「ゼロ・トレランス、特別扱いのない指導は、生徒指導の基本中の基本であるが、現在の生徒の状況を考えるとき、この指導だけでは立ち行かない。個に応じた指導は不可欠」と指摘。「我々は、個別の指導のスキルや、お互いに認め合い、支え合える集団、ともに生きていける子どもを育むためのスキルを身に付けなくてはならない」と述べた。

　また、「そういうときだからこそ、教育相談の考え方や手法をしっかりと学んでいかなければならない」と述べ、大会の成果に期待を寄せた。

　続いて、事務局が道相研の研究活動を説明。新たに設定した研究主題の考え方や、本年度スタートした三ヵ年継続研究のねらいなどを明らかにした。

　そのあと、東京成徳大学応用心理学部教授の石隈利紀氏が「すべての子どもを援助する学校教育相談～〝チーム北海道〟の核として」と題し講演。

　子どもと学校教育をめぐる環境の変化や、学校教育相談を支える枠組み、「チームとしての学校」の在り方などを説明した。

　二日目は、研修講座を実施した。

　行われたのは、「通常学級における特別支援教育の充実に向けて」（道教育大学札幌校教授・青山眞二氏）、「学習者の適性と処遇を考える～適性処遇交互作用（ＡＴＩ）の発想を生かした教育心理相談」（札幌国際大学人文学部心理学科教授・本間芳文氏）、「相手の意欲を高め、主体的な行動を引き出すコーチング～相手が自ら考え、自ら行動する建設的なかかわり方」（㈱ゆめかな代表・石川尚子氏）、「ストレスマネジメント教育の実際」（道教育大学釧路校教職大学院教授・安川禎亮氏）の四講座。

　いずれも半日日程で、午前・午後に同内容で実施。参加者は、それぞれ一講座ずつ選択して受講した。

(関係団体 2016-08-18付)