道教委ＡＬ調査研究プロジェクト推進協　アクティブ化シート改善へ　旭川朝日小で開催

（道・道教委 2016-08-22付）

調査研究校６校の実践を共有し、成果と課題を協議

　【旭川発】道教委は七月中旬、「課題解決型授業（アクティブ・ラーニング）に関する調査研究プロジェクト」二十八年度第一回推進地域連携協議会を、実践推進校の旭川市立朝日小学校（中山雅文校長）で開いた＝写真＝。上川教育研修センターの所長や旭川市教委指導主事、道教育大学附属旭川小学校および旭川中学校の教諭、調査研究校の担当者など、計二十四人が参加。これまでの取組状況を確認するとともに、アクティブ・ラーニング（＝ＡＬ）の視点に立った指導例や留意点などをまとめた「アクティブ化シート」の改善に努めることなどを確認した。

　同プロジェクトは、主体的な学び・対話的な学び・深い学びなど、ＡＬの視点に立った授業改善を進めるための教員研修の在り方などを研究することが目的。

　前年度から、旭川市を推進地域に、朝日小を実践推進校に指定。同校と市内の連携協力校五校で調査研究チーム「アクティブ・ラーニング・プロジェクト・スタッフ（＝ＡＬＰＳ)」を立ち上げ、指導計画や授業の在り方を検討。ＡＬを進める際の単元および単位時間の指導上のポイント例や留意点などをまとめた試案「アクティブ化シート」をまとめていた。

　協議会は、調査研究校六校の実践を共有するとともに、研究の成果と課題を協議し、今後の取組につなげるもの。

　はじめに、プロジェクトの趣旨を確認したあと、朝日小調査研究担当の櫻井啓子教諭が同校やＡＬＰＳにおけるこれまでの取組について報告。「アクティブ化シートは、あくまでも学校や先生によって、使えるところがあれば選択して使ってほしいというもの。単に、ペアやグループでの学習をすることではなく、一人ひとりが授業のねらいを達成することを目指すもの」と説明した。

　また、「授業し、反省で終わるのではなく、指導案を改善するところまで取り組みたい」と述べ、指導計画や授業のＰＤＣＡサイクルの重要性を強調した。

　協議では、出席者が「対話的な学び・主体的な学びを通して深い学びになるので、学びを区別しないほうが良い」「本時や単元の目標を大切にする必要がある」などと発言。また、「アクティブ化シート」の改善に努めていくことを確認した。

　道立教育研究所の平山道大研究研修主事は「ＡＬを行う上で、学級経営の充実は極めて重要。そのことを大切にしている点が良い。また、授業改善の視点を明確にしている点が素晴らしい。ぜひ、普段の授業改善を大切にしてほしい」と助言した。

　最後に、上川教育局の佐藤潤一教育支援課長は「ＡＬは授業改善の視点であり、決まった型をつくることではない。朝日小を中心とした研究は、授業の目標の実現に向けた具体的な指導改善のヒントとなり、価値のあるもの」と評価。「今後、教育課程全体の見直しなどにも視野を広げていくと、さらに価値ある研究になる」と述べた。

(道・道教委 2016-08-22付)