道病連が研究大会開く　個に応じた指導の充実を　講演や実践発表などで研鑚積む

（関係団体 2016-08-23付）

八雲養護学校を会場に開かれた研究大会

　【函館発】道病弱虚弱教育連盟(鎌田典子理事長)は、七月下旬の二日間、八雲養護学校を会場に、第五十四回研究大会を開催した＝写真＝。「一人ひとりの病状や学力に応じた教育内容の充実と、心豊かにたくましく生きる力を育む指導法の研究」をテーマに、道内の特別支援学校などから約六十人が参加。講演や実践発表、意見協議を通して、児童生徒の学びの質を高めようと理解を深めた。

　初日は、教育と医療についての講演会を開催した。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の萩庭圭子特別支援教育調査官が「病弱教育の動向～これからの病弱教育の在り方と学校・教師に求められるもの」と題して講話。特別支援教育にかかる最新の動向や次期学習指導要領の説明、それらを踏まえた今後の病弱虚弱教育の在り方について解説した。

　続いて、国立病院機構八雲病院の石川悠加診療部長が「神経筋疾患の児童生徒の命を育む医療と教育～命を育み生活を豊かにする医療・教育の協働」を演題に講話した。筋ジストロフィー症をはじめとした神経筋疾患を有する児童生徒への医療に関する最新動向および教育的配慮や教育効果について、八雲病院と八雲養護学校との事例にふれながら説明。これからの病弱・虚弱教育の方向性と教員の在り方について説明した。

　二日目は、二つの分科会を開催。第一分科会では「アクティブ・ラーニングの視点に立った指導の在り方」について八雲養護学校が、第二分科会では「病弱虚弱児童生徒一人ひとりに応じた合理的配慮の在り方」について八雲養護学校、山の手養護学校、手稲養護学校の三校が発表した。

　そのあと、各分科会報告・協議を行ったほか、助言者が講評。道教委学校教育局特別支援教育課学校教育指導グループの津川周一指導主事は「学校内での個々の取組を可視化・組織化して、学校全体で主体的に取り組むことが重要」と話した。

　参加者は、今回の研究大会を通して、児童生徒の学びの質の充実に向けて研鑚を積んだ。

(関係団体 2016-08-23付)