台風１０号災害で十勝管内　音更で小中８校を避難所に　住民支援に当たる避難生徒も

（市町村 2016-09-09付）

　【帯広発】台風１０号による被害の影響で、十勝管内では多くの人々が学校施設を避難所として利用した。そのうち、音更町では、小学校三校、中学校五校の合わせて八校を避難所として開放。一千六百人を超える住民が避難した緑南中学校では、町職員とともに教員、生徒が避難者の支援に当たった。

　管内の各自治体は、八月三十日の夜から三十一日の朝にかけて襲った台風１０号の影響で、避難指示・勧告を発令。これを受け、管内の五市町、二十五校の小・中・高校を避難所として開放した。

　このうち、音更町では、小学校が下音更小学校、下士幌小学校、鈴蘭小学校の三校、中学校は緑南中のほか、音更中学校、下音更中学校、駒場中学校、共栄中学校の全五校を避難所とした。

　この中で最も多くの人が避難したのは宝来地区に位置する緑南中。十勝川と音更川に囲まれた同地区は、浸水地域に指定されており、三十一日に出された避難勧告で一千六百人を超える住民が同校に避難した。

　避難所では、町から炊き出しや仕出しなどが避難者に提供されたほか、保健師による巡回保健指導などを実施。避難人数が多かったため、体育館以外に各教室も開放し、避難者に休息する場を提供した。

　また、避難所を運営する町の職員の人数が足りなかったことから、家族と避難していた同校の生徒が食料や水を配るなど、率先して手伝う場面もみられた。

　同校で避難者の支援に当たった町職員は、「人が足りないところに生徒が手伝ってくれて、大変助かった」とし、「今後は、各避難所の担当者からの情報を集約。課題を明確にして、よりよい対応ができるよう取り組んでいきたい」と話している。

(市町村 2016-09-09付)