〝創造する意欲〟高めて 全日中技家研究旭川大会開く
(関係団体 2016-10-14付)

全日中技家研究大会旭川大会
全国から約600人が参加した

 【旭川発】第五十五回全日本中学校技術・家庭科研究大会ならびに第六十八回北海道地区技術・家庭科教育研究大会旭川大会が五日から三日間、旭川市内で開かれた=写真=。研究主題は「〝創造する意欲〟を高める技術・家庭科教育~メタ認知能力を高め、〝生活を工夫し創造する能力〟を育てる指導と評価」。全体会や講演会のほか、市内中学校四校で八授業を公開。全国から約六百人が参加し、研究主題の実現に向けた技術・家庭科教育の在り方を考えた。

 全日本中学校技術・家庭科研究会(田極政一郎会長)、道技術・家庭科教育研究会(蛯名嘉津夫会長)、上川管内中学校技術・家庭科研究会(伊東義晃会長)、旭川市教育研究会技術・家庭科部会(坂田幸親部長)が主催。

 道技術・家庭科教育研究会では、問題解決的なものづくり等の学習活動を通して、生徒に目的を達成させる体験を重視。自信をもって創造しようとする生徒を育てるため、「生活を工夫し創造する能力」の育成を目指し、研究主題を掲げた。

 研究の手立てとして、生徒に見通しをもたせるとともに、課題を解決するために考えたことを客観的に振り返る活動を通して、「メタ認知能力」を伸ばす。また、具体的な目標設定と評価規準の工夫による学習活動の客観的な評価に努めた。

 大会初日はアートホテルズ旭川を会場に、道理事会、全日中理事会、情報交換会を行った。

 二日目の全体会は旭川市民文化会館で実施。開会式では大会長の田極会長と大会運営委員長の蛯名会長があいさつした。

 田極会長は「アクティブ・ラーニングを通して、子どもたちが自分の考えを広げ深めることで、学んだことを今後の生活に役立てる意識を高めていくことが大切」と強調。研究の成果を広めるとともに、国の動向を見据えた教育活動の展開を呼びかけた。

 蛯名会長は「技術・家庭科の授業で、将来にわたって望ましい社会生活能力を育成していくことが求められる」と指摘。大会で得た成果を子どもの学習意欲向上につなげるよう訴えた。

 つぎに、来賓あいさつとして、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・文科省生涯学習政策局情報教育課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の上野耕史氏、上川教育局の小野寺一郎局長、旭川市教委学校教育部の山川俊巳次長が登壇。それぞれ大会の成果を各地域で広めるとともに、各学校の実践の充実に生かすよう求めた。

 うち、上野氏は中央教育審議会が示した次期学習指導要領に関する審議のまとめについて説明。あらためて現行の学習指導要領を見直すよう促した。

 続いて、全体発表・研究協議に移り、道教育大学附属旭川中学校の加藤慎司教諭と旭川市立広陵中学校の浅野有理子教諭、秋田市立秋田西中学校の金子宏明教諭、札幌市立札苗中学校の半澤亮教諭がそれぞれの研究内容、課題と成果を発表した。

 また、文科省の上野氏と初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の筒井恭子氏が指導講評した。

 このあと、正和電工㈱の橘井敏弘社長が「バイオトイレと新浄化装置を活用した環境改善技術の普及」と題して記念講演した。

 三日目は神楽中学校、忠和中学校、光陽中学校、北門中学校の四校で材料と加工、エネルギー変換、食生活と自立など八分科会を開いた=公開授業の詳細は後日掲載=。各分科会で一授業を公開したほか、授業検討や研究発表も実施。参加者は研究のさらなる充実に向けて研鑚を積んだ。

 大会実行委員長を務めた管内中学校技術・家庭科研究会の伊東会長は「現行の学習指導要領が全面実施されたこの五年間の実践上の成果と課題を検証するとともに、今後の方向性を示す意義深い大会。一人ひとりの実践に多くの示唆を与えるとともに、技術・家庭科教育の一層の充実につながれば」と期待を寄せた。

(関係団体 2016-10-14付)

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