現給保障者、実質賃上げならず 地公三者が道人勧に対し声明
(関係団体 2016-10-17付)

 道公務員共闘会議地公三者共闘会議(全道庁労連、北教組、自治労道本部)は七日、「二〇一六北海道人事委員会勧告に関わる声明」を発表した。「扶養手当の子にかかる手当額の一部を本年四月にさかのぼって前倒しで引き上げる」「一時金を国と同水準となる四・三〇月に引き上げ改定した」ことを評価する一方、月例給について、「国同様の給料表改定では、現給保障者は実質賃上げとはならない」と抗議。組合員・家族の実態を考慮した誠意ある労使交渉を強く求め、諸要求の実現に向けた取組に組織の総力を挙げていくとしている。

 声明の概要はつぎのとおり。

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 道人事委員会は七日、公民較差で減額前の職員給与より民間給与が六百七十二円(〇・一七%)上回り、一時金についても民間支給月数が〇・一八月、職員の年間支給月数を上回っていることから、月例給を人事院勧告の内容に準じ引き上げ改定し、扶養手当の子にかかる手当額を公民較差の範囲内で一部前倒し、本年度から引き上げるとともに、一時金を四・三〇月に改定する勧告を行った。

 また、来年度以降、扶養手当の見直しにかかる改定として、配偶者にかかる手当額の引き下げと子にかかる手当額の引き上げを、国に準じて段階的に実施する勧告を行った。

 地公三者共闘会議(全道庁労連、北教組、自治労道本部)は、一般職に限っては終了したものの長期間にわたる独自削減が行われた組合員・家族の生活実態を考慮した勧告を行うよう求めてきた。本年の勧告は、人事院勧告の内容に準じて給料表を引き上げ、一時金の支給月数を国と同水準となるよう増額し、三年連続の引上げとなった。

 また、扶養手当の子にかかる手当額の一部を本年四月にさかのぼって前倒しで引き上げるとしたことは、公民較差解消のため道人事委員会の主体的な判断と受け止める。さらに、一時金を国と同水準となる四・三〇月に引き上げ改定したことは、人材確保の観点からも評価するものである。

 月例給について、国同様の給料表改定では、ことしも現給保障者は実質賃上げとはならないものであり、抗議をするものである。

 一時金の引き上げ〇・二月分について期末手当に配分しなかったことは不満だが、ことしにおいても六月期と十二月期の勤勉手当に均等に配分したことは、公平性の観点から受け止めるところである。

 さらに、再任用職員についても勤勉手当が〇・一月引き上げ改定となったが、勤勉手当について、「優秀」と「良好」の成績率を改めるとしたことは、これまで指摘してきた再任用職員の賃金水準を改善しなければ生活できない実態を受け止めているとはいえず、不満である。

 また、この間、薬剤師については、賃金面での処遇改善が必要と求めてきたが、初任給調整手当が措置されなかったことは極めて不満である。

 扶養手当について、政府の要請に応える見直しを実施した国に準じて勧告を行ったことは、民間準拠としながら民間企業の実態からかい離しており、拙速な見直しと言わざるを得ない。

 今後、地公三者共闘会議は、道および道教委に対し、北海道の給与決定が多くの民間労働者に波及し、ひいては未曾有の台風被害からの復旧・復興に取り組む北海道経済に大きな影響を与えることも十分踏まえ、組合員・家族の実態を考慮した誠意ある労使交渉を行うことを強く求め、諸要求の実現に向けた取組に組織の総力を挙げていく。

(関係団体 2016-10-17付)

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