地方教育行政功労者文科大臣表彰 市町村教委関係で本道から 小田氏など7人に栄誉  
(関係団体 2016-10-13付)

 文部科学省は七日、二十八年度地方教育行政功労者表彰文部科学大臣表彰の受賞者を発表した。市町村(札幌市を除く)教育委員会関係では、本道から、滝川市教委の前教育長・小田真人氏など七人が晴れの栄誉に輝いた。

 同表彰は、地方教育行政において、その功労が特に顕著な教育委員会委員、教育長を表彰し、その功に報いるとともに、地方教育行政の発展に資することを目的に、昭和五十八年から行われているもの。

 本年度の表彰式は、あす十四日に東京都内の文科省講堂で執り行われる。

 本道関係受賞者の主な功績等はつぎのとおり。

       =敬称略=

▼小田真人(滝川市教委前教育長)

 専用回線によるいじめ相談電話の二十四時間体制の構築や小・中学校全校へのスクールカウンセラー配置、市独自の道徳教育推進事業の実施など、児童生徒の心の教育の一層の充実に努めるとともに、学びサポーターの小・中学校全校配置、市独自の三十五人学級の小学校三・四年生への拡大など、きめ細かな指導と支援の充実に尽力した。

 また、社会教育では、老朽化した図書館の市役所二階への移転や民間資金を活用した温水プールのリニューアルなど、公共施設マネジメントに積極的に取り組み、行政サービスの維持に努めた。

▼加藤禎一(音更町教委元委員長)

 学校評議員制度を活用した地域に開かれた学校づくりを進め、現在でも保護者や地域住民が学校行事やボランティアに積極的に参加する、地域と一体となった学校経営の素地をつくったほか、町独自に「教育を考える日」を制定し、毎年、記念フェスタを開催するなど、町民が一体となった取組を行っている。

 また、生涯学習活動の活性化のため、町立図書館の充実に取り組み、蔵書冊数の目標を定め計画的に蔵書整備を行うとともに、利用者の要望を取り入れ、おすすめ図書コーナーや中・高校生向けのティーンズコーナー等の充実に努めた。

▼北明正紘(釧路市教委元委員長)

 三市町合併後の新市としての一体感の醸成に積極的に取り組み、各地区で「学校・家庭・地域と共に考える教育懇談会」を開催し、コミュニティ・スクールの指定を進めるとともに、市PTA連合会と連携した標語の策定や町内会、校長会と連携した域校連携共同宣言の制定など、子どもたちを地域全体で育てていく取組を先導したほか、PFI事業を活用し、小・中学校の耐震化を短期間で推進した。

 また、釧路市社会教育推進計画等の策定に尽力したほか、マリモなど国の天然記念物の保護政策を積極的に推進した。

▼木目澤一三(網走市教委前教育長)

 学校・家庭・保護者が一体となって子どもたちの望ましい成長と地域の未来について考える学力向上フォーラムを継続して開催するとともに、オープンスクールによる市民への授業公開等、地域に開かれた学校づくりを推進したほか、小・中学校における耐震補強工事にいち早く取り組み、早期に全校の耐震化を完了した。

 また、国指定史跡モヨロ貝塚の再整備を推進するとともに、スポーツ合宿の誘致に取り組み、子どもたちへの指導交流会の開催等を通じて、市のスポーツ向上に貢献した。

▼木谷捷彦(共和町教委元委員長)

 町内幼児の就学前教育と保育のための共用施設として、幼児センターの整備・拡充に尽力したほか、幼稚園から中学校までの円滑な接続を目的に、相互乗り入れによる授業交流等を実施し、小一プロブレムや中一ギャップの緩和を図るとともに、町単独で教職員の道外教育研修視察を行い、教育活動の充実に努めた。

 また、社会教育では、青年を対象とした海外研修事業を行うなど、町のあすを担う人材育成に努めたほか、スポーツ・文化等の各種教室、家庭教育学級など、学習等の機会の積極的な提供を推進した。

▼小嶋仁(様似町教委委員)

 良好な教育環境を実現するため、小学校の統廃合を図り、小中一貫教育の取組を進めるとともに、コミュニティ・スクールの導入に向け、先進地視察や住民対象の研修会を開催するなど、町の総合計画にも位置付け、町長部局との連携のもと、取組を進めている。

 また、中学校の教育活動として、アポイ岳高山植物群落の再生活動「アポイ岳ドリームプロジェクト」を実施するなど、他に例をみない特色ある教育活動を推進し、アポイ岳ジオパークの世界登録にも貢献した。

▼笹森弘志(中川町教委元委員長)

 地域素材と地域人材を活用して、「中川ふるさと学習プロジェクト」を立ち上げ、郷土を愛する心の育成に努めたほか、認定こども園制度の創設に伴い、町内の保育所と幼稚園をすべて統合し、幼保連携型の幼児センターを開設するなど、地域全体で子育てを支援する基盤を整備した。

 また、閉校となった学校施設を活用して、生涯学習センターやエコミュージアムセンターを開設するなど、地域の教育的資源を体系的に整備し、住民が必要に応じ自ら選択し学ぶことのできる生涯学習社会の構築に尽力した。

(関係団体 2016-10-13付)

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