札幌新陽高「本気・夢ゼミ」　本道の英語教育で議論　上智大・吉田教授を招いて

（学校 2016-10-14付）

講演やパネルディスカッションを行った

　札幌新陽高校（荒井優校長）の第二回本気・夢ゼミが十日、同校で開かれた＝写真＝。上智大学言語教育研究センター教授・吉田研作氏が四技能を中心としたこれからの英語教育について講演。また、道教委や札幌市教委からパネリストを迎え、本道の英語教育についてのパネルディスカッションを行った。

　同校を運営する学校法人札幌慈恵学園の創立記念日に合わせて開催したもの。同校の教員のみならず、全道から英語教育にかかわる教員や教育行政関係者など百人以上が参加した。

　荒井校長が開会あいさつに立ち、「本校は、英語教育を充実させたいという思いをもっており、吉田先生を招いて学ぶこととした。本校だけではなく、広く道内で英語教育に取り組んでいる皆さんとともに、吉田先生の話を聞きたいと思い、こういう場を設けた。きょう、ここが日本で一番、英語教育に熱くなっていると思う。皆さんとともに楽しみたい」と述べた。

　前半の講演で吉田氏は、日本人が英語やグローバル化の重要性を認識している一方、留学したくない、海外で働きたくないなどと〝内向き志向〟にあり、その理由として「言葉の壁」を挙げていることを説明。

　グローバル人材には、コミュニケーション能力の育成が必要であることから、ディベートやディスカッションを重視した英語教育の必要性を訴えた。

　後半のパネルディスカッションでは、吉田氏をはじめ、道教委学校教育局長の北村善春氏、札幌市教委研修担当係長の加世田一憲氏、荒井校長の四人がパネリストとして登壇。特定非営利活動法人教育支援協会理事の鈴木菜津美氏が司会を務めた。

　中で、吉田氏は「コミュニケーション能力を育成することは、英語教育だけではできない。日本語を基本として、思考力を向上させる取組を行わなければできない」と発言。

　北村氏は「英語を学ぶ動機付けが大切。グローバル化の進展に伴い、英語力が必要だと、一人ひとりが自分事として受け止め、学んでいけるかが大事」と述べた。

　加世田氏は「長期的にどのような力を身に付けさせるかという観点で取り組んでいかなければ」と指摘。

　荒井校長は「自分たちとほかの人たちとの橋渡しとして英語、外国語がある。そのために、英語教育には大きな可能性、大切な学びがある」と述べた。

(学校 2016-10-14付)