旭川市大有小が学校力向上へ研修会　あたたかい学級づくりを　プール学院大・松久准教授招き

（学校 2016-10-17付）

通常学級における発達障がいのある子どもを含めた学級づくり、授業づくりのポイントを紹介

　【旭川発】道教委の学校力向上に関する総合実践事業の指定を受けている旭川市立大有小学校（馬場信明校長）は九月下旬、同校で第一回アドバイザー派遣研修「松久眞実氏教育講演会」を開いた。プール学院大学教育学部教育学科准教授の松久氏が「発達障がいのある子どもとあったかクラスづくり～ｂｅｆｏｒｅ／ａｆｔｅｒ」と題して講演＝写真＝。通常の学級における発達障がいのある子どもを含めた学級づくり、授業づくりのポイントを紹介した。

　同事業は、管理職のリーダーシップのもと、先進事例を踏まえた包括的な学校改善と実践的な校内研修を推進。学校の総合力を高めるとともに、将来のスクールリーダーを輩出するねらいがある。同校は二十五年度から指定を受け取組を進めてきた。

　その一環として行われた教育講演会では、同校や近隣校などから約六十人が参加した。

　開会に当たり、馬場校長があいさつ。「きょうの講演を通し、日常の課題解決の糸口をつかみ、一人ひとりの子どものニーズに対応した学級経営の充実につなげてほしい」と呼びかけた。

　つぎに、松久氏の講演に移り、自閉症のある子どもがいる学級における経営のポイントを説明。学級全体のソーシャルスキルを育成し、障がいのある子どもが過ごしやすい学級環境を整えるよう促した。

　物事を悲観的に解釈する子どもを指導する場合、物事の見方を変えて短所を長所にとらえ直す「リフレーミング」を学級全体で行うことを勧めた。その一例として、児童が怒りを感じたことを良いことにとらえ直す「リフレーミング日記」などの実践を紹介した。

　また、聞く力が弱い子どもに対しては、聞くルールの定着をはじめ、いつまで聞くのか終わりをはっきりさせることなどに努めるよう求めた。

　このほか、学級崩壊を防ぐために、教師として毅然とした態度をとることの大切さを強調。加えて、障がいの有無にかかわらず、どの子どもも同じ場でともに学ぶことができるユニバーサルデザインの授業づくりを意識するよう呼びかけた。

(学校 2016-10-17付)