道教育大函館幼が教育研究大会開く　公開保育や研究協議など　円滑な幼小連携へ研鑚　

（学校 2016-10-24付）

公開保育や研究協議を通して研鑚を積んだ

　【函館発】道教育大学附属函館幼稚園（橋本忠和園長）は十月上旬、同園で教育大学附属函館幼稚園教育研究大会を開催した。道教育大学・道教育大学函館校地域連携センターとの共催。道内の幼稚園教諭や関係者など約三十人が参加した。はな組（三歳児）・つき組（四歳児）・ゆき組（五歳児）の三クラスの公開保育や研究協議、講演などを通して、幼小の円滑な連携に向けて理解を深めた。

　三年次計画の三年目に当たる本年度は、「円滑な幼少接続カリキュラムの制作～五領域の“環境”“表現”を中心に」を研究主題に設定。過年度の研究成果を生かしながら、幼稚園という生活環境の中で、造形・歌唱などの表現活動が小学校の生活や音楽の授業でも生かせるようなカリキュラムづくりを目指している。

　開会式のあと、はな組が「リズムであそぼう　発表会をしよう」、つき組が「おばけ屋敷にみんなでＧＯ！」、ゆき組が「たからものをさがしにいこう」のテーマのもと公開保育を行った。

　うち、ゆき組では、二十一世紀型学力の育成に向けて、ｉＰａｄを使用して、宝探しゲームを行った。ｉＰａｄの使用に当たっては、四月以降、月に一度外部講師を招き、パズルや迷路での遊びなどを通して使用方法を学んできた。

　園児たちは、事前に宝を隠した場所のヒントをｉＰａｄのビデオ機能で撮影。十秒ほどの時間で自分が隠した場所の説明を行い、相手にどうすれば伝わるかを考えながら動画を制作した。

　この日の公開保育では、園児たちは動画を視聴したあと、背景などから場所を推測し、宝が隠されている中庭を走り回った＝写真＝。見つけられない場合は、周りからアドバイスをもらい、協力して活動を行った。園児たちは、「砂場が見えたから、あっちだと思う」「木が見えるからここにあると思う」など、友達の動画から隠し場所を予測していた。

　このあと、各組の指導者が保育についての説明と研究協議を行った。ゆき組を指導した村岡圭介教諭は、振り返りとして、「撮影中の様子などを見て、表現する能力が向上していると感じることができた。この学びを小学校での学びにつなげていければ」と述べた。

　午後からは、道教育大学岩見沢校の阿部宏行教授が「子どもは未来　遊びは学び～幼少期に育みたい資質・能力」と題して講演を行った。

(学校 2016-10-24付)