道教育大附属旭川幼が研究大会　公開保育や講演会などで研鑚　遊びの広がり支えるには

（学校 2016-10-27付）

公開保育や研究発表等を通して研鑚を積んだ

　【旭川発】道教育大学（蛇穴治夫学長）と道教育大学附属旭川幼稚園（杉江光園長）は十月上旬、同園で二十八年度教育研究大会を開催した＝写真＝。研究主題「体験のつながりから遊びの広がりへ」のもと、公開保育や研究発表、協議などを行った。また、大阪教育大学教育学部教員養成課程の小崎恭弘准教授を講師に迎えて講演会を実施。百二人の参加者は、園児たちが体験を通じて遊びを充実させていく実践について理解を深めていた。

　同園では、本年度から二ヵ年計画で同研究主題を設定。幼児の体験が、目標や意欲をもち仲間と協調して取り組む力「非認知能力」の育ちにかかわり、遊びの「広がり」につながることを重視した。

　その上で、①遊びを通じて幼児の体験が充実するために必要な手立てや環境構成②幼児が自分の経験を生かして質の高い遊びにしていくための教師の援助―の二点を追究してきた。

　この日、三・四・五歳児の三クラスで保育を公開。園児たちはラーメン屋などのごっこ遊びやジャングルジム遊び、工作などに興じていた。教職員は、園児の遊びがさらに充実するよう、様々な手立てを講じていた。

　公開保育後は、研究発表のほかに、上川教育局義務教育指導班の浅野美香指導主事、同学旭川校教育発達専攻の川端美穂准教授を助言者に迎えて研究協議を行った。

　続いて、大阪教育大の小崎准教授が「子どもにとっての遊び体験～子どもの好きなもの、場所、人」と題して講演した。保育の在り方や子どもの特性、子どもが必要しているもの、遊びの定義などについて解説した。

　「保育の目指す姿は自己実現。そのため、保育においては、園児たちに遊びの大切さと活動への高い意識付けが大切」と説明。加えて、遊びにおける三つの「間（時間、仲間、空間）」を整えることで、園児が遊ぶのに最適な環境づくりに努めるよう求めた。

　「園児の活動の源は遊び。遊びを通じて体験し、人とかかわり、感じ、発達する」と述べた。その上で、「園児が豊かな環境の中で落ち着いて育つことができる環境とかかわりをつくり上げることが保育者の専門性と役割」とまとめた。

(学校 2016-10-27付)