道都大「介護人材育成事業」 福祉職への興味高めて 高校生に専門的な学習機会提供―旭川明成高で(学校 2016-10-28付)
道都大教員が社会福祉や福祉職の専門性について講義
【旭川発】北海道「介護のしごと魅力アップ推進事業」の補助を受けている道都大学(山本一彦学長)は、旭川明成高校(大野英明校長)で福祉・介護人材の育成に向けた取組を進めた。希望する生徒十一人を対象に、六月には事前学習、八月には社会福祉施設で就業体験を行い、九月上旬に同校で報告会を実施した。大学の専門的な学びや現場での経験を通し、生徒は福祉・介護業界について理解を深め、将来への意識を高めていた。
同事業は、中高生等を対象に、福祉・介護の仕事の大切さや魅力を伝えるための体験活動、進路・就業相談を行うもの。将来にわたって福祉・介護人材の安定的な参入促進を図ることを目的としている。同大では、前年度から道の助成を受け、北広島西高校で就業体験などを行ってきた。
本年度は、高大連携に取り組んでいる旭川明成高が参加した。
旭川明成高では、二年生から学習系統が六つのエリアに分かれる総合選択制を採用しており、事業を通じて福祉エリアの取組の充実をねらっている。六月下旬に説明会を開き、福祉・介護分野を志望する十一人が受講を希望した。
説明会後、同大教員が旭川明成高で社会福祉や福祉職の専門性について講義。このほか、施設の入所者とより良いコミュニケーションを図る演習を行った。
七月中旬には、生徒が同大を訪問し、福祉職を目指す学生が実際に学んでいる様子を見学。さらに、障がい者や高齢者、児童の福祉問題についての講義を受け、福祉に対する理解を深めた。
八月上旬、二日間にわたって、障がい者支援施設や特別養護老人ホームなど旭川市周辺の福祉事業所六施設で就業体験。ソーシャルワーカーやケアワーカーなどに見守られながら、施設職員の指導のもと、入所者と積極的にコミュニケーションを図りながら汗を流した。
九月上旬には、これまでの学習のまとめとして、旭川明成高で報告会を実施した。生徒たちは、それぞれが各施設で学んだことや感想などを全校生徒に発表。報告会後には、同大社会福祉学部の上原正希准教授が生徒に修了認定証を交付した。
事業に参加した生徒は、「施設で働くのは大変だけど、楽しい仕事だと感じた。もっと勉強して大学に進学し、福祉を学びたい」「普段できない体験や、いろいろな入所者の方々とかかわることができて良かった。将来は福祉分野に進みたい」と振り返っていた。
大野校長は「これからの社会では、福祉や医療の現場で活躍する若い力が求められている。今回の学びをきっかけに、もっと高い意識をもって学びを深めてほしい」と期待。「参加しなかった人も、これを機に、福祉に興味をもち、今後の進路選択に役立ててもらえれば」と述べていた。
同大社会福祉学部社会福祉学科の西崎毅特任教授は「同事業は、介護人材の育成・確保という今日的な課題解決につながるもの。福祉現場と高校、大学、行政が協働し、座学のほかに多様な体験活動を盛り込んだ学習効果の高いプログラムとなっている」と胸を張る。
上原准教授は「事前学習によって施設での学びがより深まり、生徒の福祉職になりたいという思いが強まったと思う。一方で、事業に参加してくれる高校が見つかっても、参加を希望する生徒を確保することが課題。今後はより対象者や実施地域の拡大を図りたい」と話している。
同大では、生徒の就業体験などを盛り込んだ冊子を来年二月に作成。三~四月に、道内の高校に配布する予定。
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生徒が道都大を訪問し、福祉職を目指す学生が学ぶ様子を見学
(学校 2016-10-28付)
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