【解説】高卒者の４１％、３年以内に離職

（解説 2016-10-28付）

　厚生労働省は、二十五年三月に卒業した新規学卒者の離職状況をまとめた。入社三年以内に勤め先をやめた人の割合は、大卒者が前年比〇・四ポイント減の三一・九％と二年連続減少した一方、高卒者は〇・九ポイント増の四〇・九％と四年連続増加した。産業別では、大学卒、高校卒ともに「宿泊業・飲食サービス業」の離職率が最も高かった。

　事業所がハローワークに提出する雇用保険の加入届から就職者、離職日から離職者数・離職率をそれぞれ算出した。

　二十五年三月に卒業した新規学卒者の卒業後三年以内の離職率は、大学卒が前年比〇・四ポイント減の三一・九％。三年間それぞれの離職率は、一年目が一二・八％、二年目が一〇・〇％、三年目が九・一％。一方、新規高卒者の卒業後三年以内の離職率は四〇・九％で、前年に比べ〇・九ポイント増加。年ごとの離職率は一年目が二〇・一％、二年目が一一・八％、三年目が九・一％。

　事業所規模別の離職率をみると、大学卒、高校卒ともに、規模が小さくなるにつれて高くなる傾向にあり、「一千人以上」では大学卒が二三・六％、高校卒が二四・七％であるのに対し、「五～二十九人」では大学卒が四九・九％、高校卒では五七・二％にのぼっている。

　また、産業別にみると、離職率が高い上位三業種は大学卒、高校卒とも同じ業種となった。一位は「宿泊業・飲食サービス業」で、大学卒が五〇・五％、高校卒が六六・一％、次いで、「生活関連サービス業・娯楽業」が大学卒四七・九％、高校卒六〇・五％、三位は「教育・学習支援業」が占め、大学卒四七・三％、高校卒五九・四％。最も低い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」で、大学卒が八・五％、高校卒が六・〇％だった。

(解説 2016-10-28付)