【解説】交流サイトで子の性的被害、過去最多(解説 2016-10-25付)
ことし上半期にインターネット上の「交流サイト」を通じて性犯罪などの被害に遭った十八歳未満の子どもは、前年同期に比べ九十三人多い八百八十九人と、この時期としては統計を取り始めた平成二十年以降、最悪だったことが警察庁のまとめで分かった。同庁では交流サイトを運営する事業者に対し、被害防止策の徹底などをさらに求める方針だ。
LINEやツイッターなどの交流サイトを通じて児童買春や児童ポルノなどの被害に遭った十八歳未満の子どもは八百八十九人で、過去最多となった昨年の同時期より九十三人増加。
被害の多い罪名は、淫行などの青少年保護育成条例違反が三百四十八人で最多。次いで、児童ポルノが二百六十八人、児童買春が二百二十五人など。強姦(八人)、略取誘拐(十三人)などの凶悪事件に巻き込まれるケースもあった。
面識のない利用者同士がチャットによって交流する「チャット系」や、広く情報発信や同時に複数の友人などと交流する際に利用する「複数交流系」などのサイトでの被害が多かった。
一方、出会い系にサイトに起因する事犯の被害児童は、年齢確認による十八歳以上との交流制限や投稿内容の監視などの対策を講じたこともあって、二十六人減の二十二人と大幅に減少した。
被害児童が被疑者と会った理由は、「金品目的」が三二・九%、「性的関係目的」が一〇・三%と、いわゆる援助交際に関連することが四割以上を占めた。
被害児童のうち、学校でインターネット利用などに関する指導を「受けたことがない」という回答は五〇・九%にのぼった。また、フィルタリングは、利用状況が判明した七百三十八人のうち、六百四十七人(八七・七%)が使っていなかった。
(解説 2016-10-25付)
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